女性がん患者の約4割がコロナ禍で収入減少 「治療に影響を受けている」切実な声 

文=中崎亜衣
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GettyImagesより

 一般社団法人ピアリングが、昨年12月12日から1週間に渡り「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」を実施し、女性がんサバイバー1085人から得た回答結果を公開しました。

 それによると、新型コロナウィルス感染拡大によってがん治療に「大きく影響を受けている」「少し影響を受けている」という回答は合計で13.9%(第3波と報道された11月以降の状況)で、4月調査(第1波)と比べると10ポイント減。コロナ禍が長期化する中で医療現場のひっ迫が伝えられていますが、現場ではコロナ以外の疾患における治療体制の維持に尽力していることが推察されます。

 「大きく影響を受けている」「少し影響を受けている」「どちらともいえない」と回答した人に、具体的にどんな影響を受けたかを質問したところ(複数回答可)、「感染への不安から、自ら通院の予定を延期している」は24%(55人、回答者全体では5%)で、前回調査と同水準でした。

 「治療が遅延した」「検査が遅延した」など、病院都合による治療に直接的な影響に関しては、前回調査より減少しています。

 「その他」32%(73人)には、「乳房部分切除術の予定だったが、毎日放射線治療に通わなければならない状況を避けるため全摘手術に変更した」「通院時の感染リスク避けるため、タクシーを使うなど負担が増えた」など、治療への間接的影響についての記載が目立ったそうです。

 また、過去30日間の体調で以前より強まったものとして3割の人が「気分が落ち込んで暗くなる」を挙げました。回答者の94%が自分や家族の新型コロナウイルス感染の不安に感じており、心理面における相談体制の充実が求められます。

 現在治療中のがん以外の部位の定期がん検診(勤務先での健康診断含む)について、「自分の判断で受けることを延期している」という人は23.8%(258人)。「病院から予約を断られた、または延期を告げられた」という人も2%(26人)おり、がんの早期発見・早期治療にもコロナが影響を及ぼしていることが懸念されます。

 2020年1月時点で就労中だったという831人のうち、最も多かったのは「全く変化はない」(39%)。一方で「仕事の量、回数が減った」「契約更新されなかった」など、就労状況に変化があったという人は31.3%(260人)。また、2021年1月時点に比べ「世帯年収が減った」という人は回答者全体の39%(430人)に上り、「5割以上減った」という人も見受けられました。

 新型コロナウイルス感染拡大により困っていることや悩んでいることについて、自由記述欄では、「がんサロンなどがん患者同士の支えあいの場が開催されず、会話の機会もなく、孤独感が増している」「化学療法中など抵抗力が低下している中で、通院のための交通機関利用が怖い」「緩和ケアに入り、旅行をしたり大切な人に会ったりしたいが、思うように行動できないことがつらい」「パートの出勤回数が減らされてしまい、転職活動をしたいが、コロナ禍で、がんサバイバーというハンデを抱えての職探しが難しい」など、切実な声が寄せられています。

▼調査概要
「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」
調査対象:女性特有がん経験者1085人
(1)対象者の罹患しているがん種:乳がん80.3%、子宮頚・体がん9.8%、卵巣がん8.3% 、その他婦人科系希少がん等1.7%
(2)年齢分布:40代44%/50代41%/30代9%/60代6%/20代0.5%/70代0.3%
(3)ホルモン療法中48%/経過観察中30%/化学療法中19%/乳房再建中4%/治療開始前2%/放射線治療中1%
実施期間:2020年12月12日より1週間
実施手法:WEBアンケート
監修:外科・乳腺専門医 鈴木瞳医師(一宮西病院)
分析:松村聡子(一般社団法人ピアリング)

調査結果詳細

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