井岡一翔はタトゥーを敢えて露出させたのか。「JBCを変えたい」野望語っていた

文=千葉佳代
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GettyImagesより

 昨年大みそかに行われた「WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ」で田中恒成に勝利し、二度目の王座防衛に成功した井岡一翔。しかし、井岡が左腕のタトゥーを隠さずはっきり見えた状態で戦っていたことが問題視され、処分が検討されているという。国内のプロボクシング競技を統括している『日本ボクシングコミッション(JBC)』のルールで、「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場することができないと定められているためだ。

 井岡は試合前にファンデーションを塗ったが、それが徐々にはげて試合中に丸出しになってしまったと見られている。だがそもそも井岡は、日本国内のボクシング競技においてリスクとなる刺青をなぜ入れたのだろうか。

 実は井岡はその理由を昨年8月に公開したYouTube動画で明らかにし、JBCに対する意見を訴えていた。

 その動画で井岡は、「本当に本気でやるきっかけというか」「これをしたら逃げれないっていう決意表明」と説明。入れ墨はボクシングで天下をとってやるという決意表明のつもりだという。

 日本において刺青はタトゥーも含め暴力団構成員がするものというイメージが強いが、井岡は「(タトゥーを入れていることで)就職できなかったり表舞台にでられなかったりするのは世界とのギャップがありすぎる」と感じているそうだ。野球選手にしても、サッカー選手にしても、世界の舞台で活躍する人に対して日本のルールでがんじがらめにするのはおかしいと、持論を展開した。

 観客が欲しているのはあくまでも試合中のパフォーマンスで、タトゥーなど些末なことだと言い、実際に日本に所属している海外出身選手は普通にタトゥーを入れているが許されていると、矛盾を指摘した井岡。井岡はこのJBCの体制を変えようとしている。だから敢えて、タトゥーを入れたのだ。

 「だから僕もこの年になって(タトゥーを)入れて、(自分は)現役の世界チャンピオンだし、(タトゥーの)印象を変えていければいいなって」「こいつに言っても通用せえへんな、と思わせるくらい突き抜けていきたい」と展望を語った。

 今回の井岡のタトゥー事件に、各界のスポーツ選手が物申している。北京五輪の柔道100キロ超級金メダリストで格闘家の石井慧は5日、Twitterで「あほちゃう。スーパー銭湯みたいな理由やな。見てる人が不快というより粗を探して吊し上げようとしてるだけ」とJBCの対応を一蹴した。昨年の大みそかに行われた「RIZEN.26」で総合格闘家デビューを果たした平本蓮も5日にTwitterで「井岡さんのタトゥー問題JBCマジでくだらない」と呟いている。

 米大リーグでも活躍した元プロ野球選手の新庄剛志は6日、インスタグラムを更新。「井岡君のタトゥ-がルール違反!?」「熱い戦いをしている時、ファンが感動している時にタトゥの事が気になりますか? しかも試合後に??」「タトゥに興味はないけど、なんだこの日本の古臭い考え~ 考え方をアップデートしていこうぜ」とつづった。

 ネットでは「ルールなのだから従うべき」という声もあるが、井岡が「日本での試合でも海外の選手は良くて日本人選手はダメ」と指摘していたように、確かに矛盾はある。JBCはボクシングが健全なスポーツであると掲げているため、選手のタトゥーに対し厳しい措置をしているのだろうが、このまま矛盾に目をつぶっていてもいいのだろうか。ともすれば、井岡のように有望な選手が日本のボクシング界に失望して、海外へ流出してしまう可能性もある。それこそ日本ボクシング界の損失だろう。

 実際、井岡は「日本で万が一、(タトゥーを)入れて、それでだめって言われたら海外でやるっていう頭なんで」と語っていた。今回の件、ひょっとしたら井岡はJBCに一石を投じるため「入れ墨が見える」ことがわかっていながら、試合に臨んだ可能性もあるのではないだろうか。

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