コロナ禍で「葬儀のライブ動画配信」「SNS 訃報」への抵抗感も減少傾向

文=中崎亜衣
【この記事のキーワード】
コロナ禍で「葬儀のライブ動画配信」「SNS 訃報」への抵抗感も減少傾向の画像1

GettyImagesより

 冠婚葬祭互助会の株式会社くらしの友が、2020年7月に実施した喪主経験者400名を対象に葬儀の実態、意識を探る調査の結果を公開しました。

 それによると、葬儀の平均費用総額は186.1万円。1990年代の葬儀費用は300〜400万円で、100万円台になったのは調査開始以来、初めてとのことです。回答者が執り行った葬儀の形式では、より身近な人たちのみで行う「身内葬」などが増加したといい、葬儀の平均参列者数は63.4人で、99人以下の葬儀が8割を占めました。

コロナ禍で「葬儀のライブ動画配信」「SNS 訃報」への抵抗感も減少傾向の画像2

 故人の「終活」実施状況は、「していた」42.5%、「していなかった」57.5%。2015年の前回調査と比較して、「自分の葬儀費用の用意」「冠婚葬祭互助会などに入会」が合計で16.8%増加しており、生前から自身の葬儀費用を用意する人が増加しているようです。

 葬儀費用の工面方法は、「自分や家族の預貯金」や「香典」が減少する一方で、「故人の預貯金」「故人の互助会の積立」が合計で6.2%増加しています。

 同社では2020年7月、「新しい葬儀スタイルに関する意識調査」も実施しています。その結果によると、「散骨」「樹木葬」や葬儀に参列できない人がスマートフォン等でリアルタイムで葬儀の様子を閲覧できる「葬儀のネット動画配信」など、「新しい葬儀スタイル」への抵抗感は全体としてはまだ強くあるようでした。

 しかしながら、「葬儀のドライブスルー」「葬儀のネット動画配信」「SNSでの訃報・葬儀案内連絡」などデジタル系サービスを活用した葬儀への抵抗感は、2018年調査と比較して減少傾向にあるようです。

 特に「葬儀のネット動画配信」は、コロナ禍により従来の葬儀が執り行えなくなったことで、メディアに取り上げられる機会が増えたからか、認知度が前回の3倍以上に拡大し、抵抗感が低下しています。

コロナ禍で「葬儀のライブ動画配信」「SNS 訃報」への抵抗感も減少傾向の画像3

 「葬儀のネット動画配信」への抵抗・需要間の割合は、「とても抵抗がある」22.0%、「抵抗がある」23.0%、「やや抵抗がある」30.5%、「やや取り入れてみたい」18.3%、「取り入れてみたい」5.3%、「ぜひ取り入れてみたい」1.0%。抵抗感の理由としては、「必要性を感じない」45%で最多でしたが、前回調査と比べ12.3% 減少しています。一方、受容する理由としては「参列が難しい人にも偲んでもらえそう」など、参列者側の利便性を踏まえた回答が目立ちます。

 「SNS 等を活用した訃報・葬儀案内」については、全体の55.3%が「抵抗がある」と回答しており、前回調査の59.3%から 4%減少。抵抗感の減少は特に高齢者層に顕著で、前回調査と比べ、60 代は11%減、70 代は9%減でした。「抵抗がある」理由としては、「人の死をお知らせする方法として、どこか軽い印象がある」が最多で、「スマートフォンを使いこなせていないから」は27 人(6.8%)と少数でした。

 他方で葬儀で導師(僧侶・神官等)の代わりに袈裟等を着た AIロボットが読経を行う「ロボット導師による読経サービス」については、前回調査と変わらず、95%の人が「抵抗がある」と回答しています。抵抗感がある人の2人に1人が「人の死に際し、真摯な感じがせず受け入れられないから」を理由に挙げていました。

▼調査概要
「2020年度版 現代葬儀白書(2020年7月実施)」
調査対象:40~79歳の男女で以下の条件に当てはまる人
・3年以内に喪主もしくは喪主に準ずる立場を経験した人
・喪主をした葬儀が一般葬儀or家族葬
調査地域:関東1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)
調査方法:インターネットによる調査
調査期間:2020年7月22日~7月24日
サンプル:400サンプル
※初七日までを葬儀と定義
※斎場や菩提寺、教会などで葬儀をせず、亡くなった場所から火葬場へ直行し火葬する「直葬」は対象外

「新しい葬儀スタイルに関する意識調査」
調査方法:インターネットによる調査
有効回答数:400 名
データ集計期間:2020 年 7 月 22 日~7 月 27 日
調査対象:1 都 5 県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県)在住の男女で 、直近 5 年以内に身内以外も参列する参列者 21 名以上の葬儀の喪主(準ずる立場)を経験した 40 ~70 歳
男女比:男性:200 人(50%)、女性:200 人(50%)
年齢:40 代:100 人(25%)、50 代:100 人(25%)、60 代 100 人(25%)、70 代 100 人(25%)
※「もし身内に不幸があり、身内以外も参列する葬儀の喪主を務めることになった場合」で「故人の意向はない」という条件のもと調査

「コロナ禍で「葬儀のライブ動画配信」「SNS 訃報」への抵抗感も減少傾向」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。