菅政権の支持率1カ月で急落、「不支持」が「支持」を上回る

文=宮西瀬名
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GettyImagesより

 新型コロナウィルスの感染者が増加傾向にあるにもかかわらず、不適切な対応を続けた菅政権。1月11日に発表されたTBSのJNN世論調査によると、「菅内閣を支持する」と回答した割合は1カ月前よりも14.3ポイント下落し41.0ポイントだった。不支持と回答した割合は14.8ポイント上昇して55.9ポイントと、菅政権になって初めて支持を不支持が上回っている。

 未だに4割近い支持率を集めているが、支持者は必ずしも自民党や菅総理に執心しているわけではないようだ。「支持できる」とした回答者のうち、支持の理由は「特に理由はない」(41.6ポイント)が最多。次点の「自民党を中心とした内閣だから」(23.8ポイント)を大きく引き離している。

 一方、「支持できない」と回答した側では「特に理由はない」は10.4ポイントで、「政策に期待できない」(37.6ポイント)が最多だった。この回答は前回よりも7.5ポイント上昇しており、明確な理由を持って不支持を表明する層が増加していると見られる。

 菅内閣が講じた様々な政策についても、「政府の対応を評価しない」(63ポイント)、「緊急事態宣言発表のタイミングは遅すぎた」(83ポイント)、「緊急事態宣言の内容は不十分」(55ポイント)、「コロナ特措法で罰則を設けることに反対」(55ポイント)などネガティブな評価が目立った。

 また、同調査では、政権支持を示した回答者のうち「自民党を中心とした内閣だから」という回答が前回よりも7.6ポイントも上昇している。自民党であれば支持したいという層の割合が上がっているということは、いわゆる“浮動票”が徐々に離れていることのあらわれではないだろうか。

「特に理由はない」が衆院選の明暗を分ける?

 今年は10月に衆院議員の任期が満了するため、衆議院選挙が行われる。2017年の衆議院選挙で小選挙区と比例区合わせて284議席を獲得した自民党だったが、さすがに今回は圧勝ムードとはいかない。菅首相はオリンピック開催に意欲的な姿勢を崩さず、解散せずに任期を満了するかもしれないが、首相が交代すると支持率は上がる傾向がある。支持率の下落が続けば、首相交代をしてすぐに解散選挙に踏み切る可能性もあり得る。

 2019年7月に実施された前回の参議院選挙の直近のJNN世論調査では、政権与党を「支持する」(58.7%)の割合が高く、支持する理由は今回同様「特に理由はない」(30.9%)が最多だった。今年の衆院選にも“特に理由はないが政権支持に回っている”層の票が議席数に大きく反映されそうだ。

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