マスキングテープは、いまやなくてはならない生活のマストアイテムなのではないでしょうか。
かわいい柄、貼って剥がせる利便性、そして何より小さくてコレクションしやすい大きさ。一本もお持ちでない方を探すことが難しいのではないかと思えるほど、世にマスキングテープは大きく普及しました。
ところでみなさま、マスキングテープを実際に切って貼る場合、どんな道具をお使いになっていますか。テープは実際のところ手で千切ることもできますし、スクラップブッキングなどではそれは「味」になります。でも、切り口が綺麗な方が見栄えがいいケースも多いですよね。
また、様々なマスキングテープをコレクションされている方でも、実際に使うものって決まっているのではないでしょうか。使うのが勿体ない柄や仲間内での交換会にしか登場しないコレクション用のマスキングテープは大切にしまわれ、実用として最前線に出てくるものは限られている──そんな場合、そのマスキングテープがテープカッターに入っていて、簡単に切って使えたら便利ですよね。
リヒトラブのマスキングテープカッターは、そういう使い方に最適な製品です。
見た目はいわゆる小巻のテープカッターに似ています。あの「かたつむり」みたいなデザインのテープカッターの上部に、ちょっとホッチキスを思わせる大きめのカバーがついているのが特徴です。
本製品は「握ってサクッと切れる」を売り文句にしています。この「握って」が、前述した大きめのカバーパーツなのです。
本製品にはマスキングテープが含まれていませんので、まずお手元のマスキングテープを入れてみましょう。セット方法は簡単です。テープカッター下部のカバーにある出っ張りを掴み、下方に引くとカバーが回転して開きます。少し硬めにできていますが、心配せずぐいっと引っ張ってみてください。開けたあとは、マスキングテープを中心の軸にはめて入れるだけ。
カバーを回転させて元に戻し、出ているマスキングテープの端を左手でひっぱって必要な長さに出したら、カッター台にテープを押しつけます。テープの粘着で軽く固定されますので、続いて右手の親指で上部ハンドルを押し下げます。
上部ハンドルの内側には、ギザギザした樹脂製のカッター部があります。金属製の刃物ではありませんが、それなりに尖ったパーツですので、指など押しつけないようにしましょう。
このカッター部が、上部ハンドルを握ることでカッター台の溝に食い込みます。
あとは左手でテープを引っ張るだけ。さくッという軽い音とともにテープに切れ目が入り、引っ張ることで完全に切断されます。上部ハンドルは内蔵されたバネで元の位置に自然に戻ります。
カッター部自体は4つの山型の刃なのですが、切れたテープの端は予想以上にまっすぐです。かなり綺麗に切れています。
今までのテープカッターはカッター台に刃がついていて、そこでテープを引き裂く方法が主でした。これだと切り離す際にテープを持っている手首を捻ってテープを切るアクションが必要でした。またセロファンなどでできたテープと異なり、和紙素材のマスキングテープは刃の上で滑ってしまったり繊維が強かったりでうまく切れないことがありました。もちろん金属のよく切れるカッターパーツを持ったテープカッターなら問題なく切れるのですが、そういう製品は小型でも比較的高価です。
リヒトラブのマスキングテープカッターは、その名の通りマスキングテープに特化した製品です。セロファンテープなどは切ることができません。その代わりマスキングテープは必ず切れるよう工夫がされており、手首をひねるようなアクションも不要です。金属刃を使用しないぶん、製品を安価に提供できるようになりました。定価は税抜330円です。
ボディカラーはホワイト、イエロー、グリーン、ブルー、ピンクの5色展開で、すべて今はやりの柔らかめなパステルカラーになっています。
ケースの大きさから、内蔵できるマスキングテープの大きさが限られています。内径25ミリ以上、外径54ミリ以下で、幅は15ミリまでのマスキングテープを使用できます。また、マスキングテープを名乗っている製品でも素材に違いがありますので、ものによってはうまく切れない場合もありそうです。手許にあるカモ井とマークスの和紙製マスキングテープは綺麗に切ることができました。キングジムHITOTOKIシリーズのSODA透明マスキングテープも問題なく切断できましたが、フィルム素材(PET)はおそらく想定外だと思いますので、刃の耐久性が落ちるかもしれません。
ホッチキスのように軽く握ることでマステを確実に切ることができる本製品は、マスキングテープを常用される方の強い味方となるでしょう。複数台を用意してマスキングテープを使い分ける方にも最適な製品です。わたしは握ったときの「サクッ」という感触が大好きで、ふだん面倒くさがっていたマスキングテープのカット作業がちょっとやみつきになってしまっています。楽しいですよ、これ。
(他故壁氏)