1920年代にイギリスで誕生したシステム手帳が、日本に輸入されはじめた1980年代、その後半に「バブル景気」と呼ばれる時代になり、できるビジネスマンがこぞって手にしていたシステム手帳は、バブル期を象徴するアイテムになりました。
バブル景気のあと、携帯情報端末PDAの登場、2007年にはApple社からiPhoneが発売されスマートフォンの普及が一気に加速しました、これにより手帳に住所録やスケジュールを挟んで持ち歩く必要性がなくなったことで、大きくて重いシステム手帳のニーズがさらに減少し、文房具店の店頭ではどんどん隅へと追いやられたように感じていました。
しかし、2015年にデザインフィルから1枚革で構成されたスマートでおしゃれなシステム手帳「ルフト」が発売したころから、システム手帳の新モデルが次々と登場し、2016年には「システム手帳Style」(枻出版)という専門誌も刊行されて、再びブームの兆しが見え始めてきました。

バインダー式ノートの魅力
システム手帳やレザーバインダーなど、メーカーによって表現が異なるので、ここでは「バインダー式ノート」と総称します。
これらバインダー式ノートの最大のメリットである、ノートの中身をカスタマイズできることや、自由にページを差し替えられることは、過去も現在も変わりません。
このメリットを活かし、書類や自分で印刷した紙類に穴をあける事ができるパンチ、いわゆる穿孔機(せんこうき)があれば、バインダー式ノートの可能性をさらに広げることができます。
今回は、DIY感覚で楽しめるツール、プラステーショナリー株式会社(以下プラス)の「バインダー式手帳6穴パンチ)PU-601」(以下「プラス6穴パンチ」)を紹介します。

4種類のサイズに対応した移動式パンチ
現在、バインダー式ノートには様々なサイズが存在します、これらは日本ファイルバインダー協会の規格で、左右(上下)に展開した3つの穴と穴の間隔はどれも同じ19mmですが、中心から1番内側の穴と穴の間隔が異なります。
・A4サイズの場合は70mm
・バイブルサイズでは51mm
・ミニ6穴サイズの19mmとなっています。
バインダー式ノートで1番人気モデルといえばバイブルサイズ、ミニ6サイズはポケットにも収まる小型のバインダー式ノート、机上で使い易く筆記面積の大きなA5サイズがあり「プラス6穴パンチ」は、これ1台でサイズが異なる4種類の用紙に対応してくれる、便利なマルチ穿孔機です。
この4種類の中で38mmサイズにも対応とありますが、最近ではこのサイズのバインダー式ノートは、ほとんど流通していません。もし38mmサイズのバインダー式ノートをお持ちであれば、この規格に対応したパンチが他にないので、さらにオススメ度はアップします。

用紙に合わせてパンチ位置をスライドさせるだけ

片手でもパンチが可能な安定性
使い方は、レバーの下に表示された用紙位置にパンチ部分をスライドさせてから、レバーを押し込むだけです。調整は手動ですが、それぞれの用紙位置で一度カチッと止まる仕様になっているので細かい調整は不要です。
また、500gという500mlのペットボトルに相当する重さは、穴をあける際の安定感にもつながり、一般的なコピー用紙なら最大8枚まで同時にパンチが可能で、まとめて穴をあける際にも効率的な作業が行えます。

いろんな資料に穴を空けて簡単にリフィル化
プリンターやファクシミリでアウトプットされる書類のほとんどはA4サイズが基本です、その半分がA5サイズになるので、A5バインダーノートとの相性は抜群です。A5サイズでプリントアウトできれば、そのまま「プラス6穴パンチ」で穴をあけるだけでOKです。
最近では、航空券のEチケットやバウチャー、QRコード付きのチケットの場合も自宅や職場で印刷するケースが増えています。プリントアウトしたチケット類をノートにただ挟んでおくよりも、穴太をあけて綴じ込めば紛失の心配から解放してくれます。
また、インターネットから地図をプリントアウトして、目的地を書き込んでおけば、方向音痴のひとにも心強い味方になってくれます。

オリジナルリフィルを作る
パソコンとカラープリンターの普及は、自分がデザインしたリフィルを簡単に印刷することが可能になりました。デザインと聞くとDTPアプリなどの専門知識が必要なツールをイメージしてしまいますが、マイクロソフト社のExcelやWord、Apple社のNumbers、pagesがあれば、自分好みのオリジナルデザインのリフィルを印刷して楽しむことができます。
バイブルサイズの場合には、A4サイズ紙の下側約4cmを折るかカットすると上下はきれいに収まります、また普段から使っているバインダー式ノートのサイズにあわせて用紙設定や余白をあらかじめ作っておくと、オリジナルリフィルつくりが楽になります。

ちょっと休憩を上品な時間にしてくれる懐紙をリフィル化!?
バインダー式ノートとは縁がなさそうな用紙に穴をあけることで、リフィルの概念を越えて楽しむ方法を見つけました。たとえば「懐紙(かいし)」に穴をあけてリフィル化しておくと、移動中の列車やビジネスホテルの部屋でちょっと一服したときに、綴じ込んだ懐紙バインダー式ノートから取り外しお菓子を乗せれば、それだけで茶席の雰囲気を醸す空間に早変わりします。
実際に使用する時には、あらかじめミシン目を入れておくとリングを外さずことなくスマートにバインダー式ノートから取り外ししやすくなります。

システム手帳+6穴パンチで広がる新しい楽しみ方
市販されているリフィルには横罫線、方眼罫、無地といった基本的なものから、Todoや月間スケジュールを管理するための専門性の高いものまで種類は豊富にありますが、既製品ではなく自身のワークスタイル、ライフスタイルにあわせてオリジナルのフォームを作って、組み合わせれば自分だけのオリジナルバインダー式ノートに進化させることができます。
1台で4種類のサイズに対応できるため、それぞれ単体の専用の穿孔機を購入するよりもリーズナブルな点も見逃せません。プラステーショナリー株式会社の「バインダー式手帳6穴パンチ」はアイデアと想像力の分だけ終わりない楽しみ方ができる穿孔機です。
メーカー プラステーショナリー株式会社
製品 バインダー式手帳6穴パンチ(移動式)PU-601
価格 2900円(税別)
穿孔能力 約8枚
対応サイズ
・バイブルサイズ
・A5サイズ
・ミニ6
・38mmサイズ
穴奥行き 6.75mm
穴径 5.5mm
質量 500g
(出雲義和)