女性用の「トイレ」「更衣室」を求める声が続出 畜産現場で働く女性たちのリアル

文=wezzy編集部
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Getty Imagesより

 日本の畜産を応援するWEBマガジン「どっこいしょニッポン」を運営する日本全薬工業株式会社が、畜産現場で働く女性の実態調査を行いました。

 この調査は2020年12月16日~2021年1月4日にFacebookを利用し、「どっこいしょニッポン」をフォローしている18歳以上65歳以下のユーザーおよび、そのつながりの方々に実施し190名から回答を得ました。メディアの性質上、フォロワーは畜産関係者が大半とのことです。

 畜産業に就いたきっかけは、1位は「畜産家と結婚」62票、2位「動物が好きだった」37票、3位「家業を継いだ」30票、4位「昔からの夢だった」15票、5位「学生時代に研修に参加した」9票。「結婚を機に……」という方が断トツで多いようです。就農前にどんな仕事をしていたかというと、「会社員」31%、「同業」23%、「学生」20%、「公務員」8%。

「酪農家になりたかったから、良い酪農家の旦那に出会えて良かった」という声がある一方、結婚を機に畜産業に就いた方からは戸惑いの声もありました。一部を紹介します。
「お嫁に来たら稼業をしなければいけないという縛りが強い。男尊女卑の精神が根強く、育った環境が違いすぎて価値観のズレが半端ない」
「休みを取ると義理両親から『え?休むの?』と見られる。生理前や生理で体がしんどくて、ちょっと休みたいのに、なかなか理解してもらえない」
「子どもができるまでは『早く跡取りを!』と周りから急かされ、女の子が生まれたら勝手に残念がられて『次こそは男の子を』と言われた」
「今まで働いていた会社では、働き方改革を進めていました。嫁ぎ先では家族経営なので労働時間も関係なければ、休みもなく…正反対の環境に戸惑いました。自分たちも適度に休みつつ仕事するべきなんじゃないか…と思いながらも何もできずにいます」

 仕事のやりがいや楽しさについては「牛が可愛い」との声が多く、「子供も一緒に牛舎仕事する時」「子供の情操教育に良い。動物好きになり、優しく思いやりのある子に育っていると思う」など、子どもの教育にプラスになる面があると前向きに捉えるユーザーも。一方で、「子育てとの両立」に悩んだ経験も寄せられています。

「我が家では、子供が高校生の時期が一番大変でした。朝、牛舎の忙しい時間帯に弁当を作って学校に送り出すために一度家に帰るのですが、その間、主人は一人で仕事をしなければならなくてお互いに大変な時期でした」
「出産と子育てとの兼ね合いについて、家族経営で働いているので出来ることを出来るだけしかしていませんが、自分で農場をやるとなると、しわ寄せが子供か、牛かのどちらかに行くような気がして、どのように皆さんがこなしているのか知りたいです」
「もし、結婚して子供が産まれたら、育児しながらの牛の管理は余裕が無くなりそう」

 職場で改善して欲しいこととして挙がったのは断トツで、「女性用トイレ/更衣室を設置して欲しい」というもの。生理中の仕事の辛さ、それに加えて牧場にトイレがなかったり、男女兼用のトイレだったり、「トイレ」の環境が劣悪であることの苦痛は、全国から挙がりました。そもそも「女性の意見ももっと聞き入れて欲しい」との声もあり、業界全体で真剣に取り組まねばならない課題ではないでしょうか。

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