
『映画秘宝』20201年3月号
映画雑誌『映画秘宝』(双葉社)が、個人のTwitterユーザーに恫喝的なダイレクトメッセージ(DM)を送った件について謝罪した。
発端は、女性とみられるTwitterユーザーが『映画秘宝』の関係者が出演したラジオ番組において女性ゲストが不在であったこと、同誌にホモソーシャル的なノリがあると批判するツイートをしたことだった。1月17日、ユーザーのもとに『映画秘宝』の公式Twitterアカウントから「あなたの誹謗中傷により死にたい」という内容のDMが届いたという。
<突然、たいへん失礼いたします。
今、心の底から深く深く心が傷つき、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです。
<純粋な悪口ということでしたら、これは誹謗中傷でしょうか。
いま、胸が締め付けられるほど苦しくて、呼吸が乱れており、壊れそうなほど深く心が傷つき、あまりのショックの大きさから、何も手が付けられない状態にいます。死にたい。>
上記に一部を引用したように、それは“被害者ぶるフェミ女性”をトレースしたような文章で、悪意に満ちた内容だった。まさしく“ホモソーシャル的なノリ”の裏返しだろう。
恐怖を感じたというユーザーは、Twitter上でDMのスクリーンショットを公開。『映画秘宝』に対して「怖すぎる」「公式アカウントが個人に対してこのようなDMを送ることは許されない」といった批判が集まった。
また、ユーザーは雑誌の出版元である双葉社にもこの件について意見を送ったというが、双葉社はDMを送った張本人である『映画秘宝』の編集長・岩田和明氏に、許可なくユーザーの電話番号を教えたという。結果、編集長自らユーザーに連絡をとってきたそうだ。
25日の夜、岩田氏はTwitter上で「過労により一方的に頭に血が上ってしまった」との釈明と謝罪文を公開した。
<この度は、大変お騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。
添付のあるまじき悪質なDMを、本誌公式ツイッターアカウントより、いち個人の方へ送付した件につきまして、心よりお詫び申し上げます。>
<過労のなかで一方的に頭に血がのぼってしまい、憤りを感じてしまったためです。>
<媒体の影響力を顧みず、公式ツイッターからいち個人へのあるまじき悪質なDMを送付してしまったことを、深く反省いたします。さらに、今後の再発防止と共に、信頼回復へ向けて全力を注ぎます。>
<今後岩田はツイッター管理から離れることはもちろん、さらなる処遇については、改めてご報告申し上げます。>
また、翌日には合同会社オフィス秘宝の名義で説明文を発表。恫喝的なDMを送ったことだけでなく、編集長自らユーザーに連絡をとったことに関しても謝罪し、編集長には断固たる処分を下すと報告した。
<さらに看過することができないのは、岩田が被害を与えた方に直接電話で連絡を持ったことです。それは、少誌・編集部が岩田から謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした。謝罪のためとはいえ、被害者にとって暴力的な行為であり、それを未然に防ぐことができなかった責任は編集部にあると考えております。>
企業やメディアの公式Twitterは、運用者が暴走すれば簡単に炎上する。昨年もタカラトミーやアツギの不適切なTwitter投稿が批判を浴びた。公式アカウントと個人ユーザーとの影響力の差は大きく、運用にあたってはそのことを強く認識していなければならない。
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