2020年の女性の自殺者が大幅に増加。コロナで浮き彫りになった「コロナ前からあった問題」

文=雪代すみれ
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 望月氏は、外で稼ぐことに比べて家事労働を低く見る価値観や、「家庭の仕事=女性の役割」という考えが今も社会に蔓延っていると言及したうえで、次のように指摘した。

<今多くの人が家にいる時間が長くなってわかったことは、家事というのはとても大切だしとても大変なんですよね。それはお金がつかなくても。その部分を今映像見ている方で、もし気づいてない方がいたらやっぱり家の中での分担がおかしいし、そこの部分をしっかり見直して、それぞれ家庭で支え合いをする。社会的にも支え合いのバランスをしっかり直していくっていくことが重要じゃないかなと思います>

コロナで浮き彫りになった「コロナ前からあった問題」

 家事・育児の負担が女性に偏っていることや、シングルマザー家庭の貧困問題、DV問題も新型コロナをきっかけに始まったことではなく、以前から問題視されていた。なんとかギリギリで持ちこたえていた人たちが、コロナという有事で個人の努力だけではカバーできなくなっているのではないか。

 コロナ禍での女性への負担の大きさは昨年から様々な場で言及されていたが、「大変なのは女性だけじゃない」「男も苦労している」といったコメントがしばしば見られる。しかし、数字や社会構造の視点から女性への負担が大きいことを指摘しているのであって、「男性は大変な思いをしていない」と言っているわけではない。2020年の女性の自殺数が大きく増加していることや、DV件数が増えていることなどから女性への支援が必要なことは明白だ。

 また、望月氏も指摘していたとおり「お金のつかない家事労働は容易なもので、外で働く方が偉いという価値観」が根強く、「男は仕事、女は家事・育児」の性役割分業の考え方が依然として残っているため、家庭における女性への負担が大きくなっている。田村淳氏も述べていたが、パートナーが不満を抱えているものの言い出せていない可能性もあるだろう。

 家庭内の役割分担を見直すことも大事だが、パートナー間の話し合いでは解決できない問題もある。MCの立川志らく氏が「コロナの影響で様々な人が困っているが、政府は貧困している人に目を向けるべき」と指摘したように、経済的支援など有事としての公の支援も必要だ。

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