テレビでのマスク着用、広まらず…テレ東『WBS』は字幕つける考えも示す

文=宮西瀬名
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 一年前、日本全国でマスクが消えた。当時は目新しかった布マスクも今では浸透、不織布マスクも供給が追いつき、ドラッグストアやコンビニなどどこでも買える。新型コロナウイルスの基本的な感染予防は、マスク・手洗い・うがいだ。マスクを着用せず問題となることもある。大学入学共通テストでは、マスクから鼻が出ていることを監督者に何度注意されても従わず、試験会場のトイレにこもった受験生が逮捕された。この人物は試験中わざとらしく咳を繰り返し、別室へ移ることも拒否していたとの報道もある。

 1月24日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)ではこの事件を扱った。寺島しのぶが「鼻を出してたら呼吸がしやすいのはわかりますけど、公共の場だし試験の場でその人だけ(マスクをしない)っていうのは良くない」と犯人を咎め、西川貴教は「(ジムでトレーニングする際、マスクの)種類を変えてます。ランニングの時はウレタン系の呼吸のしやすいマスク。人がたくさんいるところだと不織布マスク」とシチュエーションごとにマスクを使い分けていると話す。

 豊橋技術科学大学によるマスクの種類別の機能性の実験結果を紹介し、山﨑夕貴アナウンサーが「不織布マスクのマスクと比較して、布やウレタンなどのマスクは飛沫の飛散が多いと言われていますので、場所によって使い分けるのが良いです」と注意を促した。ただ、スタジオにいるタレントたちは1人もマスクをつけてはいない。

 同日の『アッコにおまかせ』(TBS系)でも同様のニュースを特集。和田アキ子は「マスクでほとんど防げるって言いますもんね」と、適切にマスクを装着することの必要性を論じた。こちらも『ワイドナショー』と同じように豊橋技術科学大学の実験結果を引用。布・ウレタンマスクの吐き出し飛沫量と吸い込み飛沫量が不織布マスクよりも20~30%もカットされないことに、勝俣州和は「こんなに違うんだ」「(このデータを見て不織布マスクの)買い占めは止めてほしい」とリアクションした。

 どちらの番組でも紹介していた豊橋技術科学大学のデータだが、実はここには各種マスクだけではなくフェイスシールドやマウスシールドの実験結果も載っている。この一年、多くのテレビ番組でタレントたちはフェイスシールドやマウスシールドを装着しロケに臨んでいた。しかしデータでは、どちらも吐き出し飛沫量は10~20%としかカットせず、吸い込み飛沫量に至っては小さな飛沫に対しては効果がないとされている。

テレビ番組のマスク着用は定着するか

 経済番組『ワールドビジネスサテライト(WBS)』(テレビ東京系)は1月18日の放送から、スタジオでの感染対策を強化すべく、大江麻理子キャスターら出演者が不織布マスクを着けている。26日には公式サイトに「お知らせ」として視聴者から届いた反響を紹介している。

 視聴者に番組でのマスク装着について意見を募集したところ、番組のSNSや視聴者センターには合計1012件の意見が届いたという(1月26日時点)。80%は番組の姿勢に賛同を示すものだったが、「そこまでやらなくてもいいのではないか」「表情が見えない」「(聴覚障害者の方から)口元が読み取れなくなって困る。字幕をつけてほしい」といった指摘もあったそうだ。番組では今後はマスクの着用を継続したうえで、字幕に関しても早急に対応するとしている。

 テレ東の取り組みは大きな注目を集めたが、他局の追随はほぼ見られない。

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