
『アフター6ジャンクション』Instagramより
1月26日放送のラジオ『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ)において、パーソナリティーでラッパーのライムスター宇多丸とフリーアナウンサーの宇垣美里アナが、『映画秘宝』(双葉社)編集長の“恫喝DM”について言及した。
“恫喝DM”の発端となったのは、この『アフター6ジャンクション』の今年1月5日放送回だったからだ。
1月5日放送の『アフター6ジャンクション』は『映画秘宝』の編集長・岩田和明氏らが出演し、韓国映画を特集。ある女性のTwitterユーザーが、そこに女性ゲストが不在であったことへの疑問や、『映画秘宝』にホモソーシャル的なノリがあることを批判するツイートをしたところ、1月17日になって『映画秘宝』の公式Twitterアカウントから「あなたの誹謗中傷のせいで死にたい」という内容のDMが届いたという。驚いたユーザーはDMのスクショをTwitter上に投稿。以下はその一部だ。
<突然、たいへん失礼いたします。
今、心の底から深く深く心が傷つき、胸が張り裂けそうなほど大きなショックを受けて、死にたいです。
<純粋な悪口ということでしたら、これは誹謗中傷でしょうか。
いま、胸が締め付けられるほど苦しくて、呼吸が乱れており、壊れそうなほど深く心が傷つき、あまりのショックの大きさから、何も手が付けられない状態にいます。死にたい。>
さらに、ユーザーがこの件について『映画秘宝』発行元である双葉社に意見を送ったところ、ユーザーの許可なく電話番号などの個人情報がDMを送った本人である『映画秘宝』編集長の岩田氏に漏らされ、岩田氏から謝罪の電話が来たそうだ。
一連の流れに多くの批判が集まり、岩田氏は25日の夜、Twitter上で「過労により一方的に頭に血が上ってしまった」との釈明と謝罪文を公開。翌日には合同会社オフィス秘宝の名義で、岩田氏が勝手に謝罪電話をかけたことについても謝罪している。
宇垣美里アナ「“死んでやる”というのは、とても重たい言葉」
26日の『アフター6ジャンクション』の冒頭、パーソナリティーの宇多丸は、<当番組も20%くらい関係がある>として、恫喝DM騒動の経緯を説明し<(岩田氏のDM)は一見、下に出ているようで、一種の脅し><ちょっと擁護できない感じ>と厳しく非難。
加害者である岩田氏が被害者であるユーザーに一方的に電話をかけたことも最悪の対応で、<先方からすれば、そりゃおっかないよ。それはダメでしょ。(DMの)内容もさることながら、アウト中のアウトを重ねてしまった>と述べた。
火曜パートナーの宇垣アナは、<名前と連絡先を加害者の方が知っているという状況はあり得ないと思います>と断言。宇垣アナは自身も「あなたのせいで死にたい」という内容のメッセージを受け取ったことが何度かあるといい、<“死んでやる”というのは、とても重たい言葉です>と、今回のDMに書かれた内容の卑劣さを指摘した。
<幾度か私はああいう形の、『もう死んでしまうかもしれない、あなたのせいで』というようなものを何回か受けたことがあるんですけど>
<すごい怖いですよ。『殺してやる』より私は怖いと思います。なぜなら、止められないから。その人の命なんて責任取れないから>
<そうおっしゃる方は死なないんだけど、でも、その人も今回と同じように死なないとは限らないから、こっちは下手に出るしかなくて。あれはまごうことなき脅迫です。あれは本当に何も擁護できない>
また、一部では「DMを晒すのは卑怯」とユーザーを責める声もあるが、宇垣アナは<とても怖いことなので誰かと共有すべきだと思いますし、『こんなものが来た』っていうのは証拠にするということもあって><被害者の方が責められるようなことがあってはならないと思います>と、被害者の行動の正当性を強調した。
最後に宇多丸は、“『映画秘宝』界隈”と言われるものにホモソーシャル的な雰囲気があることは否定できないとし、人々の信頼を回復するため、自分たちも番組ゲストの人選などに注意していくと内省。<楽しく聴いていただける日を目指して頑張っていきます。いい特集もいっぱいやるよ>と宣言した。
身内の不祥事であっても「擁護できない」と言い切り、問題点を指摘し反省を示した宇多丸と宇垣アナに、リスナーからは称賛の声が送られている。