Clubhouseが差別の温床になっている? 米国で問題視されている人種差別、性差別、デマ・誤情報の流布

文=竹田ダニエル
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3)デマや誤情報の流布

 米国時間の1月30日に、テスラやスペースXをはじめとした企業の創設者であるイーロン・マスクがClubhouseのルームに参加するとして、日本でも大いに話題になった。入室希望者はルームの上限人数である5,000人の参加者を遥かに上回り、宇宙旅行、火星の植民地化、仮想通貨、AIやコロナウィルスのワクチンなど様々な話題について質疑応答形式で答えた。

 ルームから溢れてしまった人たちはYoutubeでの「生配信」を通してマスク氏の応答を見ていたが、鋭い質問をしたり誤情報を指摘する役割を担うジャーナリストが発言権を与えられなかったり、ブロックされていることでルームに入れず、マスク氏に対する質問の「攻め」が非常に甘かったことや誤情報が放置されていたことが強く問題視された。

「マスク氏は過去に、コロナウィルスに関する誤情報の拡散に貢献してきた。Clubhouseのインタビュアーはそのことについては言及しなかったが、ワクチンの流通についてどう考えているのか、今後どうなっていくのかを聞いた。また、彼はジョンソン・アンド・ジョンソン社のワクチンはFDAに承認されていると主張したが、これは事実ではない。」

“It’s Going To Be Very Dangerous,” Elon Musk Discusses Life On Mars, Robinhood Drama On Clubhouse

 Twitter社が誤情報を含む記事の拡散を禁止したり、ドナルド・トランプ氏のように影響力の大きい人物の発言に警告マークをつけるなどの対応を急いでいるのに対し、Clubhouseはミスインフォメーションに対する処置の甘さも指摘されている。

「虚偽や誤解を招くような情報についてユーザーに警告を発し始めた他の技術プラットフォームとは異なり、Clubhouseは誤報に対抗するための目に見える免責事項を提供していません。視聴者がアプリ内で反対意見を表明したり、情報を共有したりするためのコメントセクション、「いいね!」ボタン、その他のリアクションボタンもありません(ただし、Clubhouseの広報担当者は、「ユーザーは部屋から直接リアルタイムで[利用規約やコミュニティガイドラインの]違反を報告することができ、Clubhouseの信頼と安全チームによる調査が行われます」と強調しています)。

 その代わりに、彼らはしばしばTwitterを使ってClubhouseで何が起こっているかを議論しています。パリでのテロに関する議論の録音を共有した匿名のユーザーは、このプラットフォームが虚偽の情報を拡散するツールになる可能性があると述べています。”彼らが言っていることは意味がない “とそのユーザーは言いました。”誤報、誤報、誤報、誤報のようなもので、それを信じる何百人もの人々が座って聞いている。」(“YOU BECOME HOSTAGE TO THEIR WORLDVIEW”: THE MURKY WORLD OF MODERATION ON CLUBHOUSE, A PLAYGROUND FOR THE ELITE

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