
明石家さんま(吉本興業ホームページより)
明石家さんまが、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による「女性の話は長い」に乗っかるかたちで、「素人による発信のせいで規制が強まり、テレビが面白くなくなった」という主旨の自説を述べた。
明石家さんまは2021年2月6日放送『ヤングタウン土曜日』(MBSラジオ)にて、リスナーから届いた<『女性の話は長い』と言って政治家が謝罪をしていました。もしそうだとしても、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系/1994年〜2011年)、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)など、数多くの女性が集まった現場を取り仕切って一番多く喋っているさんまさんは、やはり偉大だと思い知りました>とのメールを紹介し、次のようにコメントしている。
<もう『から騒ぎ』もできないかも分からへんな。このご時世。『から騒ぎ』という番組も女性蔑視ということになって。企画がそうやからね。『お前ら違いやろ!』『男の人はいつもこうなのよ!』『女はいつもこうや!』って言い合いしてた番組で。そいで説教部屋があって、気に入らなかったらピコピコハンマーで、『ええ加減にせえよ!』って女の頭をピコピコ叩いてたっていう。
多分、いまアカンよな? ひょっとしたらな。スポンサーがゴーサインを出してくれれば別やけれども。まあまあ、企画自体でダメになってしまうと思うわ。これは非常に難しいところで。
テレビが面白くなくなるのは当然やな、うん>
また、さんまは現在は特番として存続している『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系/1992年〜2014年)内のコーナー「ご長寿早押しクイズ」も、かつては「お年寄りをバカにしている」とのクレームに悩まされていたとのエピソードを語った。
そのうえで、「人々がコンテンツの良識を問う声がうるさい」とも受け取れる、こんな発言をしていた。
<気持ちの持ち方ね。いまはネットがあるから、それを発表する場が出てきてしもうたからね、素人が>
大江麻理子、高島彩が言及「嫌悪感を抱きつつやってきた」
「ネットがある」ことで、数多くの「素人」が公に向けて意見を述べられるようになった。今は、かつてなら容認されていたことにも「本当は怒っている」と発言できるのだ。これは果たして嘆くべきことなのだろうか。
今回の森会長による蔑視発言では女性たちの側から、怒りはもちろんだがそれだけでなく、反省の弁も出ている。これまで差別やジェンダーギャップに対して声をあげなかった・あげられなかったことが、このような発言をする人物を権力の座に居座らせてしまう原因になってしまったのではないか、ということだ。
2月5日放送『WBS(ワールドビジネスサテライト)』(テレビ東京系)で大江麻理子アナウンサーは、<普段、自分の意見はあまり言わないんですが、今回は言わないといけない>と強調しつつ、<多くの方が『またか』とスルーしそうになるところですけれども、社会全体が『あーあ』と思ってスルーしたり、傍観してきた結果というものが今につながっているような感じもするんです>と語っていた。
同月6日放送『サタデー・ステーション』(テレビ朝日系)でも、高島彩アナが<いろんな受け止め方があると思うんですけど、私自身もこれまでああいった発言に対して嫌悪感を抱きつつも、どういなして、そして物事を先に進めていけばいいのか、そういったことを考えてやってきたこともありまして><そういった対応の仕方が差別的な発言を容認するところも多くあります>と発言している。
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