
西野亮廣Instagramより
西野亮廣が2021年2月9日放送『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)に出演。博多華丸・大吉と千鳥を相手に、これからの芸能人のお金の稼ぎ方について講義を行った。西野は、「信用」が大事だといい、自分や堀江貴文氏、箕輪康介氏らは「信用」を得ているからオンラインサロンで稼げるのだと熱く語ったが、どう聞いても明らかにおかしな話だった。
西野はオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の会員数が7万人を超え、これだけで年商8億円と言われている。一方、博多華丸・大吉と千鳥はテレビで多数のレギュラーをもっているものの、収入は想像されているより多くないそうだ。
テレビ業界自体が縮小の一途をたどっているので、かつてのようにテレビの稼ぎだけで豪邸を建てられるような時代ではなくなった、という。芸能人も稼ぎ方を変える必要があり、そこで大事なのが「信用」なのだと西野は力説する。
箕輪康介は「信用があるから炎上しない」?
芸能人には「人気タレント」と「認知タレント」がいると西野亮廣は分析する。認知タレントは、テレビにたくさん出ているため認知度があり、無料のイベントでは人で溢れかえる。しかし、チケット代が必要な単独ライブなどでは集客に苦戦するタイプの芸能人のことを指すそうだ。
サンドウィッチマンやオードリーのように「人気」と「認知」が両方高いタレントも存在するが、それは稀なケースだという。西野が出したこの分類には、華丸大吉と千鳥も納得した様子を見せていた。
これはライブなどのイベントだけでなく、「課金」をともなうコンテンツ全般に言えることである。認知タレントはオンラインサロンを始めたとしても会員数は伸び悩む傾向にある。
認知タレントと人気タレントではお金の出所がまったく違う。認知タレントはテレビに出ることで発生する出演料やCM契約料がメインの収入源となるが、人気タレントはファンから直接お金をもらうかたちになる。
テレビ業界に流れる広告費が減り続けるこれからの時代は、タレントがいくら頑張ったところでギャラの天井が上がらない。それ以上を求めようとするのであれば、認知タレントから人気タレントに変わる必要がある、というのが西野の弁だ。
そのために必要なのが「信用」。西野の言う信用とは「ウソをつかない」ということだそうだ。華丸大吉と千鳥の中では大悟だけが信用をもっており、華丸とノブは信用があまりないという。西野曰く、華丸もノブも番組の進行を気にかけ、面白くない共演者のエピソードトークに愛想笑いをする姿勢が、視聴者の信用を失わせているそうだ。
西野は<いま一番大事なのは信用なんですよ>と熱弁をふるい、信用を獲得している人物の一例として、西野本人以外に堀江貴文氏と、幻冬舎の編集者・箕輪厚介氏の名前を挙げた。
スタジオには微妙な空気が流れるが、西野は構わずに、彼らの共通点は<絶対にウソはつかないんです。マズいものは『マズい』って言うんです。炎上しようが、です>だと断言した。
しかし「マズいものは『マズい』って言う」から信用に値する、というのはあまりにも安直すぎるのではないだろうか。そもそも箕輪氏は以前、担当するライターへのハラスメントや原稿料未払いが発覚しており、「信用がある」人物とは言い難い。
問題を報じた「文春オンライン」によれば箕輪氏は、エイベックス創業者・松浦勝人氏の自伝執筆を依頼した女性ライターの家に押しかけてセクハラ。彼女が「部屋が汚い」と断っても、箕輪氏は「下心はまったくない」「絶対に変なことしない」「仕事を半分手伝う」と押し切って強引に家に入ったという。結局、「下心はまったくない」というのは真っ赤なウソで、箕輪氏は彼女に体を密着させたうえ、「触っていいですか」「キスしませんか」などと迫った。
箕輪氏の行為は、大手出版社の社員編集者と下請けのフリーライターという力関係を利用して関係を迫った典型的なハラスメントである。しかし箕輪氏はこの明確な説明を避け、報道以降はレギュラー出演していた『スッキリ』(日本テレビ系)には顔を出さず雲隠れした。
その後、オンラインサロン「箕輪編集室」のなかでは、騒動に関して<何がセクハラだよボケ>などと暴言を吐いたうえ、被害女性を<異常>と侮辱。また、報道を受けてあがる批判はヒット作を次々生み出す自分への<嫉妬>などとする発言が明るみに出た。社会的責任を放棄し女性を侮辱していても、サロンメンバーの中で箕輪氏は「信用に値する人物」ということなのだろうが、果たしてそのようなコミュニティは健全だろうか。
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