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知財業界専門求人サイト「知財お仕事ナビ」などを運営するアスタミューゼ株式会社は、知財業界のクライアントを対象にコロナ禍前後における採用意欲の変化に関するアンケートを実施。その結果を公開しました。
コロナ禍にあった昨年(2020年)、前年(2019年)に比べて知財に関する業務量は増えたかを聞いたところ、「増えた」「少し増えた」は全体の26.3%(21件)、「変わらなかった」は全体の30.0%(24件)、「少し減った」「減った」は全体の43.8%(35件)。
業務量が減少したのは全体の4割ですが、明確に「減った」という回答は15%であったことから、他の業界に比べるとコロナ禍によるネガティブな影響は少なかったように見えると分析されています。
昨年(2020年)、新規の人材採用活動を行ったかの質問には、「例年より増やした」15.0%(12件)、「例年通り」51.3%(41件)、「少し減らした」「減らした」23.8%(19件)、「まったくやらなかった」10.0%(10件)。
最初の設問で「業務が増えた」と回答したクライアントは、4割が「採用を増やした」、4割が「例年通り」と回答していますが、「採用を減らした」「まったくやらなかった」との回答も2割ほどあったとのこと。また、「業務が減った」クライアントは、5割が「採用を減らした」「まったくやらなかった」の回答でしたが、4割は「例年通り」と答えています。
今年(2021年)は人材採用活動の予定については、「例年より強め」「若干強め」16.3%(13件)、「例年通り」42.5%(34件)、「例年より弱め」35.0%(28件)、「まったくおこなわない」6.3%(5件)。「業務が増えた」クライアントは、3割強が「強め」、4割が「例年通り」と回答。「業務が減った」クライアントは、6割弱が「弱め」と回答しているものの、一方で3割強は「強め」「例年通り」に採用活動を行うと答えており、「まったく行わない」は1割未満です。
コロナ禍以前(2019年)の採用時に求めていた人材・スキル(複数回答可)で多かったのは、「経験者(特許技術者・特許・事務・特許翻訳)」81.25%、「有資格の経験者(弁護士)」76.25%でした。
今年(2021年)以降の採用時に求める人材・スキル(複数回答可)でも、多いのはやはり「経験者(特許技術者・特許・事務・特許翻訳)」77.50%、「有資格の経験者(弁護士)」76.25%と大きな変化は見受けられません。ただ「未経験の事務職」に関しては、コロナ禍以前(2019年以前)は25.00%だったのに対して、今年(2021年)は15.00%と10%の減少が見られます。
コロナ禍以前(2019年以前)に採用時に重視していた能力・資質(複数回答可)として多かったのは、 「技術・開発分野に関する知識と経験」77.50%、「コミュニケーション能力」77.50%、「自立して業務を推進できる能力」77.00%。
今年(2021年)以降の採用時に求める能力・資質(複数回答可)でも、「技術・開発分野に関する知識と経験」78.75%、「コミュニケーション能力」76.25%、「自立して業務を推進できる能力」72.56%は依然として強く求められる傾向にあるようです。一方で、コロナ禍前に比べ、「マネージメント能力」や「変化に対する柔軟性・対応力」を求める声も高まっているようです。
▼調査概要
実施期間:2021年1月25日~1月29日
実施方法:インターネット上でのGoogleフォームを使用したアンケート
実施対象:特許や商標など知財に関する仕事をしている弁理士、特許技術者、特許事務、人事総務担当者
有効回答件数:80件
参考:アスタミューゼ株式会社
https://www.astamuse.co.jp/