低すぎる日本の性交同意年齢。13歳の子どもがセックスのリスクを理解できるのか/弁護士・らめーんさんインタビュー

文=三浦ゆえ
【この記事のキーワード】

「13歳のまま」でいいわけがない

らめーん:そこで前提としてほしいのが、同意とは「何をするかがわかっていて、そのあとどうなるかがわかっていて、かつ対等な関係があってはじめてできるもの」ということです。

ーーその前提でもって、現在の「13歳」という年齢をどう思われますか?

らめーん:仮に14歳の子どもが「セックスっていうものを知りたいから」という好奇心でするのでも、「なんだかむしゃくしゃするからと」ストレス発散でするのでも、何をするかがリスクも含めわかっていて、なおかつ相手と対等の関係で、NOがいえる状態なら「同意できる」といえます。しかし、性教育でセックスについてほぼ教えないといっていい日本では、それができる年齢はもっと上でしょう。

ーー性被害経験がある人を対象にした調査で、「性交とはどのような行為か、明確に知った」年齢を尋ねたところ、平均は約13歳でした。そのあとで「性交に伴うリスクも認識した上で、相手と同等の関係で性交に同意できる年齢は何歳だと思いますか」と尋ねたところ、平均は約19歳でした。

らめーん:セックスを知っているから同意できるわけではない、ということですよね。実際は20歳を過ぎても、リスクを含めてセックスが何かを理解した上で、判断するのは難しいのではないかと思います。ただ、いま刑法の検討会で話し合われているのは、最初にもお話したとおり、「子どもがセックスを望んでしたとしても、その相手は有罪になって、懲役5年以上の刑を受ける」という年齢のことです。それが「13歳未満」というのは、諸外国と比べても圧倒的に低いですし、このままでいいわけではないという認識は、検討会でも共有されていると思います。

*     *     *

 その暴力が犯罪になるかどうかを、「抵抗することがすごく難しいレベルの暴行、脅迫があったかどうか」で判断されるのは理不尽で、ましてそれを13歳になったばかりの子どもにまで求めるのは、どう考えてもおかしい。国連は2008年、日本に対して性交同意年齢の引き上げを勧告している。

 では何歳が適当なのかーー後篇で引き続き、らめーんさんにうかがう。

1 2

「低すぎる日本の性交同意年齢。13歳の子どもがセックスのリスクを理解できるのか/弁護士・らめーんさんインタビュー」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。