「同居」だから気楽 15年以上一緒に住んでいるAさんとMさん

文=藤谷千明
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 私は2年前からアラフォーの女性4人(なお全員なにかのオタク)で、ルームシェアをしている。ルームシェアというと若い人が期間限定でやるイメージがあるが、40手前にして始めた、恋愛関係や家族関係というつながりとはまた別の、価値観の近い者同士が生活のために「手を組む」という形の共同生活はかなり快適である。

アラフォー女性4人のルームシェアは「家族でなくても共生しやすい社会」の実践

 1年前からアラサー・アラフォーの女性4人(なお全員なにかのオタク)で、ルームシェアをしている。 ルームシェアというと、期間限定で若い人がやるイメー…

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「同居」だから気楽 15年以上一緒に住んでいるAさんとMさんの画像2 ウェジー 2020.01.01

 そんな生活をまとめたエッセイ『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』(幻冬舎)を上梓して以降、様々なルームシェア経験者の話を聞く機会も増えた。家族に色々な形があるように、「ルームシェア」と一言でいっても、色々な形がある。とはいえ、それぞれのシェア生活の経緯もルールもバラバラで、「家族ではない」からこそのコツや知見が蓄積されているように感じている。本連載では、そんな「それぞれのシェア生活」の知見を共有するのが目的だ。

第一回「15年以上一緒に住んでいるAさんとMさん」

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 Aさん(39歳)とMさん(39歳)は、趣味のヴィジュアル系バンドを通じて知り合った私の友人である。地元を離れ関東で一人暮らしをしていたAさんの部屋に、地方在住だったMさんが転がり込んだことにより同居が始まり、15年近く経つ。家族や夫婦、恋人でない友人関係で、ここまで同居が長続きしているケースを私は知らない。自分がルームシェアを始めようと思ったきっかけのひとつが、この二人の存在だった。友達同士でここまで続く人がいるという事実は、大きく背中を押してくれたのだ。

 そんな二人のルームシェアのきっかけは、本当に「よくある」ケースだった。

「最初は共通の友人を通した関係だったんですけど、徐々に二人だけで遊ぶようになって。私は当時千葉で一人暮らしで、彼女がライブで上京する際に泊まりに来るようになり、それが頻繁にあるので、“いっそここに住んじゃう?”って。本当に“ひょんなことから”なんですよ」(Aさん)

「もともと出身は東京で、家庭の事情で地方に引っ越したこともあって、“いつかは東京に戻りたい”と思っていたんです。とはいえ、当時は就職難の時代でしたし、経済的な不安も大きかったので、Aさんと一緒なら家賃や光熱費も折半できるし、お互いにメリットがあると思ったんです」(Mさん)

 当時Aさんが住んでいたのは、千葉県にある家賃5万円のワンルームマンション。勢いで決めたルームシェアは、あまり長続きしないというイメージがあるが、AさんとMさんについてはそうはならなかったようだ。

「ワンルームでの二人暮らしはたしかに手狭ではあったけれど、二人とも仕事やライブで家をあけることが多かったので、そんなにストレスはなかったですね」(Aさん)

「一緒の派遣会社で働いていた時期もあるから、職場も一緒なことも多かったけどね(笑)」(Mさん)

 筆者のルームシェア生活は、あまり口論はおきず、淡々と運営しているのだが、AさんとMさんは、むしろケンカや衝突は頻繁に発生するのだとか。そして、だからこそ上手くいっているという。

「ケンカはめちゃくちゃしますよ(笑)。むしろワー! って言い合うことで、お互いの不満を解消しています」(Aさん)

「ケンカして家を飛び出て彼氏の家に行っても“仲直りしてきなよ”と諭されたり(笑)。衝突しても2時間くらい経ったらお互い熱が冷めて“ご飯にしよっか”となるんです」(Mさん)

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