「スイトリシオリ」万年筆愛好家向けだった吸取紙がオシャレに進化!

文=出雲義和
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スイトリシオリ

 ノーブルノートなど数多くの文具紙製品を製造販売するライフ株式会社(以下ライフ)から2019年12月に発売された「スイトリシオリ」は、万年筆愛好家だけでなく、筆記具を使い始めたばかりの若い世代からも人気を集めています。

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吸取紙ってなんですか?

 万年筆など使った事がない人には「?」な言葉に聞こえる「吸取紙(すいとりがみ)」は、万年筆やつけペンで筆記した際に、紙に残った余分なインクを吸い取るために作られた専用紙のことです。

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ブロッター

 その「吸取紙」を使う時に必要なツールがブロッターです。

 吸取紙が長方形の形状をしているのは、このブロッターと呼ばれる蒲鉾の様な形をした専用の器具と合わせることを前提としているためで、単体で使うことはありません。

 この吸取紙を、ブロッターを使わずに単体で使用できるように改良・進化させたものが「スイトリシオリ」です。

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A5サイズのノートブックにジャストサイズ

 「スイトリシオリシートタイプ」はA5サイズの1枚のシート状に作られているので、ノートブックに挟んでもジャストサイズで持ち歩くことが可能で、普段愛用しているノートブックや手帳のサイズにあわせて自由にカットして使えることが大きな特徴です。

 また、綴じノートだけではなく、システム手帳やリングノートでも、サイズに合わせてカットしたあとに専用パンチ(穴開け機)で穴をあければ、市販のリフィルと同様にリングに綴じ込むこともできます。

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栞をデザインしたスリップタイプ

 スイトリシオリにはもうひとつ栞の形をした「スイトリシオリスリップタイプ」があります。

 栞としても使えるこの形状は、折り目を広げるとA5サイズのノートと同じ高さになり、ページすべてではなくピンポイントで余分なインクを吸い取ることができます。また、筆や筆ペンを用いることが多い熨斗(のし)袋などは、万年筆よりもインクが乾きにくいために、より重宝することは間違いありません。

実用例

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手紙を書くときには絶対欲しいスイトリシオリ

 万年筆で手紙をしたためる時や、宛名を書く時には中字(M)以上の太い字幅のペンが書きやすく読みやすいのですが、字幅が太くなるほどインクが乾きの遅いという難点があります。しかし、「スイトリシオリ」のシート状の利点を活かして、普段使いの便箋に挟み込んでおくと、必要な時に取り出し易く、ブロッターのようにデスクのスペースを占有しません。

応用例

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デスクのお供に

 もっと身近にある仕事での実例は印鑑の捺印です。

 書類の捺印欄の大きさにカットして、印鑑と朱肉を一緒にまとめておけば、事務的な印鑑まわりにオシャレなデザインの「スイトリシオリ」が華を添えてくれます。

 ハンコをやめようという社会的な動きがある中ですが、すぐに仕事から消えることはなさそうなので、まだまだこのスタイルも活躍してくれそうです。

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万年筆とインクの管理に

 万年筆ユーザーは、たくさんの万年筆とインクを同時に使っているために、どの万年筆にどのインクを入れたのか覚えきれません、そこで万年筆とインクの組み合わせをノートブックに記入して管理する人も多く、そんなユーザーには「スイトリシオリ」は欠かせないアイテムのひとつです。

 記録したあとノートブックをあわてて閉じると、重なり合ったページにインクが移ってしまい、せっかくの記録も見づらくなってしまいますが、「スイトリシオリ」を挟んでおくだけで、記録も美しく残す事が可能になります。

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郵趣の楽しみ、風景印の押印にも

 さらに趣味の世界の活用例では、郵便局の記念風景印を旅先の想い出に押印してもらう「郵趣」の楽しみ方があります。

 風景印は、特有の風景や文化などをデザインした消印で、その土地の郵便局に行かなければ押印してもらうことはできません。(郵賴という郵送で依頼するサービスもありますが趣旨が異なるために割愛します)

 本来は投函する時にお願いしてハガキや手紙に押印して郵送するものですが、希望すればハガキ代金と同額の切手を貼った紙類にも押印してくれるので、旅好きな人にはたまらない想い出のコレクターアイテムとなっています。

 記念の風景印ということで郵便局の局員の方も、かすれたりしないように十分なインクで丁寧に押印してくれるので、すぐには乾きません。そんな時に栞としても使える風景印を収集するノートブックに挟んで置くと一石二鳥の便利さです。

新しい価値観を作り出した「スイトリシオリ」

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 万年筆やガラスペンがブームの中で、はじめてシャープペンシルやボールペンとは異なる書き心地の筆記具に触れて、その良さを楽しみながらもインクの乾き具合に戸惑いを覚える人も少なからずいるはずです。それらを補うのにはブロッターといった専用器具がありますが、新しいユーザーには少し敷居が高いかもしれません。

 ライフ株式会社「スイトリシオリ」は、ブロッターを介さずに使える便利さと、好きな大きさに切って使える自由度が、これまでの「吸取紙」ではなく、アクセサリー感覚で使える新しい文房具として目に映っているのかも知れません。

 ビジネスから趣味の世界まで、幅広く使うことができる文房具へと進化した「スイトリシオリ」は、万年筆だけではなく筆ペンやローラーペンなどをこよなく愛用するすべてのユーザーにぜひ使って欲しい製品です。

製品
メーカー LIFE株式会社
製品 スイトリシオリ シートタイプ
サイズ A5 202mm×142mm 5枚入り
価格 500円(税別)

製品 スイトリシオリ スリップタイプ
サイズ 210mm×45mm 2柄各2枚(計4枚)
価格 450円(税別)

(出雲義和)

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