韓国の兵役と青春の終わり、その複雑な関係。ドラマ『青春の記録』ヘジュンの選択は

文=gojo
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 『青春の記録』で脚本を担当したハ・ミョンヒ氏も言及しているように、兵役はいままでのドラマではあまり触れられなかった問題ではあるものの、扱わなければ大いにリアリティに欠ける、まさに韓国特有の問題である。

 世界的K-POPスターとなったBTSメンバーの兵役が社会問題化している昨今、今後の韓国ドラマでも避けては通れないだろう。

 BTSが2015年に発表した3枚のアルバムからなる『花様年華』シリーズも、”人生で最も美しい瞬間、青春”をテーマにしている。シリーズ最終作のアルバムは『花様年華 Young Forever』と名付けられ、ファンの間では「青春三部作」と呼ばれる。

 自分たちが一番美しい瞬間、それは兵役前の限られた時間だということ(メンバーはまだ誰も兵役を済ませていない)、そして、その終わりはすぐに訪れるということを彼らは自覚している。

 だから、常に全力で、美しい。そこに「戦争=現実」が横たわっているだなんて、なんと残酷なことだろうか。

 「青春」という言葉が韓国の人にとって何度も繰り返し描くべき特別な、敬虔な意味を持つのは、そういった複雑で深刻な事情もあるのだろう。

 終わりが具体的に見えている、限られた時間。その時間を全力で好きな人と過ごす、芸能活動に精を出す、友だちや家族と揉め事と和解を繰り返す。当たり前過ぎる日常が自分たちの意思とは関係なく終わりを迎え、二度と戻ってこない。

 ドラマ『青春の記録』であると同時に、この撮影を最後に入隊したヘジュン演じるパク・ボゴムという俳優の「青春の記録」でもある本作は、彼を通してまさに現代の韓国の若者の姿を捉えていると言えるだろう。

 この、誠実さを具現化したようなへジュンというキャラクターは、その役に説得力を与えるだけの熱い魅力を持ったパク・ボゴムにしか演じられなかっただろうと思う。除隊後、以前とはまた違う魅力に溢れた彼の演技を見ることも、今から楽しみである。

(gojo)

『青春の記録』
Netflixで独占配信中
俳優として成功するという夢を抱く2人の青年と、メイクアップアーティストの卵が、生まれや家柄が重要視される厳しい現実に直面しながらも、自分の力だけで夢をつかむべく奮闘する……。大人気俳優パク・ボゴムの入隊前最後のドラマとしても話題になった。

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