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BTSの所属事務所・Big Hitエンターテインメントが、新グループのデビュー情報を次々と公開し、波紋を呼んでいる。
2021年2月18日、Big Hitはユニバーサルミュージックグループとのパートナーシップを強化すると発表。Big Hitとユニバーサル傘下のゲフィンレコードが合弁会社を設立して、サバイバルオーディション番組プロジェクトを行うという。アメリカのパートナー会社とも協力して2022年の放送を目指すそうだ。
JYPエンターテインメントの創始者・J.Y. Parkは以前から「アメリカ版『Nizi Project』」の計画を語っており、Big Hitのプロジェクトもそれに近いものになるのだろうか。詳細はまだ明かされていないが、「アメリカで放送されたオーディション番組出身のK-POPグループ」という計画なのだとすれば、これまでのK-POPにはなかったプロジェクトになりそうだ。
しかし、この壮大な企画を受けてファンの間で飛び交うのは、喜びよりもとまどいの声の方が多いようだ。Big Hitの抱えるグループ数がすさまじいスピードで増え続けているためである。
BTSの大ブレイクまで小さな芸能プロだったが…
Big HitはJYPで作曲家として仕事をしていたパン・シヒョク氏が2005年に設立した会社。2013年に防弾少年団として誕生したBTSが大ブレイクを果たすまでは、小さい芸能プロダクションだった。BTS以外にもいくつかアイドルグループを手がけてきたが、現在まで活動を続けているグループはひとつもない。
しかし、2019年デビューのTOMORROW X TOGETHERを皮切りに、一気に勝負をかけてきた。2020年11月には、Big Hitと韓国の大手エンタメ企業・CJ ENMが共同で企画したオーディション番組『I-LAND』(Mnet)出身のENHYPENがデビューした。
今後のデビュー計画も、パンパンに詰まっている。2020年2月に開いたBig Hitの会社説明会では、2021年にBig Hit傘下のSource Musicから女性グループをデビューさせ、2022年にはBig Hitが直接手がける男性グループのデビューが予定されていると明かされた。
加えて、Big Hitの日本法人からは、『I-LAND』に出演していた練習生5人に追加メンバーを加えた男性グループが2021年にデビューするとアナウンスされている。
これを受けてファンからは、「これだけの新グループをマネージメントしきれるのか」「大丈夫なの?」と危惧されているのである。
なぜなら、同じように多くのグループを抱えるJYPは、制作したコンテンツが相次いで問題を起こしたり、事務所から長期間干されているGOT7への対応に怒ったファンがハッシュタグデモ運動をしたり、所属アーティストが相次いで体調を崩したりと、マネージメントの問題を指摘されているからだ。
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Big Hitは、2019年にGFRIENDが所属するSource Musicを買収し、2020年にはSEVENTEENやNU’ESTなどが所属するPledisエンターテインメントも買収した。同年10月には韓国取引所に上場も果たしている。
こうした躍進の原動力となったのがBTSの類いまれなる成功であったことは疑いの余地がない。しかし、BTSの活動にはタイムリミットがある。2020年12月にBTSメンバーの兵役延期を認める法案が可決されたが、「免除」ではなく、あくまで「延期」。30歳までには入隊しなくてはならない。
再度の法改正がない場合、約2年後からは最年長メンバーのJIN(1992年12月生まれ)を皮切りに、SUGA(1993年3月生まれ)、J-HOPE(1994年2月生まれ)、RM(1994年9月生まれ)と、次々にBTSの活動から離れることになる。メンバーの欠けた状態でグループがその後も勢いを保ち続けられるかといえば心もとない。
Big HitもBTSの兵役を見越して急ピッチで新しい動きを進めているのだろうが、この計画はうまくいくだろうか。期待とともに見ていきたい。