
キマグレン『LOVE & BEACH』
総務省幹部らへの接待問題で波紋を広げている菅義偉首相の長男・正剛氏。ネット上では、正剛氏が2015年に解散した音楽ユニット「キマグレン」の元メンバーだったと話題になっているが、この噂をキマグレンのクレイ勇輝が完全否定した。
クレイ勇輝は2月25日にTwitterを更新。正剛氏が元メンバーだというのはフェイクニュースだといい、以下の苦言を綴った。
<黙ってようと思ったけど
最近あまりにも言われるし
変な誤解をうむので。
キマグレンは
クレイとイセキの二人組です。
菅総理の長男の顔も知らないし
会った事すらない。
フェイクニュースほどほどにせいや!
既に解散してるのに取り上げてもらってありがたいが、嘘はやめて欲しい。>
情報の出所は父親・菅義偉首相だった?
正剛氏がキマグレンの元メンバーだという噂が広まった経緯はどうだったのか。まず、「週刊文春」2021年2月18日号(文藝春秋)は、正剛氏の生い立ちを以下のように記述している。
<地元横浜で生まれた正剛氏は明治学院大に進学後、「世界民族音楽研究会」に所属。音楽ユニット「キマグレン」の元メンバーと共に、「COTE-DOR」というバンドを組んで活躍。卒業後、同級生が社会人となる中、一向に定職に就かない長男の行く末を菅氏は非常に心配していたという。そして、06年に総務大臣として初入閣を果たすと、社会人経験のない25歳の長男を大臣秘書官に抜擢。後に菅氏は雑誌の取材に「バンドを辞めてプラプラしていたから」と語っている。>
しかし、前述のようにクレイ勇輝は、「菅総理の長男の顔も知らないし会った事すらない。」と、これを全否定。一体どういうことなのか。
おそらくだが、情報の火元は、父親である菅義偉首相のようだ。
2009年6月発売の『週刊プレイボーイ』(集英社)では、当時、菅首相が自分の長男を大臣秘書官にしていたという情報をスクープ。同誌は、フリーライターの畠山理仁氏が菅首相を直撃した様子を掲載しているが、畠山氏から「長男は政治活動に興味はあったのか」と問われた菅首相は、息子は元々はバンドをやっていて「キマグレン」のメンバーと活動していたと明かしたのだ。
菅首相<バンドをやってたの。今はもうやめましたけど、あれと一緒に…。紅白にも出た、湘南の海でやってて100万枚くらい売れた…なんだっけ(と、ケータイでどこかに電話をして聞いてくれるセンセイ)。『きまぐれ』だって」
畠山氏<—キマグレンですか?(苦笑)>
菅首相<あのグループと組んでいたんですよ。で、バンドの人が体を壊して辞めて。(長男は)プラプラしていたからその間だけ。選挙の間だけ>
ただ、クレイ勇輝が正剛氏に会ったことがないのも本当なのだろう。調べると、キマグレンのもうひとりのメンバー・ISEKIが正剛氏と「COTE-DOR」を組んでいたようだ。相方の昔のバンドのメンバーであれば、クレイがそのことを知らないのも仕方がないかもしれない。
前出「文春」によると、正剛氏は2011年に大学時代に同じサークルに所属していた女性と結婚し、同年2月に結婚式を挙げたとのことだったが、ISEKIも同年2月にブログで、<昔のバンドメンバーが結婚するということでお邪魔してきました>と綴っている。
ISEKIの当該ブログ記事はタイトルが「コートドール」であるうえ、<新郎の人徳もありすごい人達が集まりました。その中にあの元内閣総理大臣も>という言葉と共に安倍晋三氏とのツーショット写真もアップしており、確定だと見られている。安倍氏は、正剛氏の結婚式に出席していたのだろう。
正剛氏の「キマグレン元メンバー」騒動は、彼がキマグレンに所属していたわけではなく、「キマグレンのメンバーのひとりと昔、バンドを組んでいた」という表現が正しいようだ。