障がいを持った兄弟姉妹がいる人(健常者)を、ひらがなで表記する「きょうだい/きょうだい児」といいます。統計上、全国に1000万人いると考えられる「きょうだい」は、「きょうだい」であることを理由に結婚を断られる、親亡き後の障害児の生活を助けることを求められるなど、生きづらさや孤立感を抱えており、社会課題となっています。
この「きょうだい児」をテーマにした映画『ふたり〜あなたという光〜』の自主上映会が2月11日から開催中です。自主上映会では、オンラインによる映画鑑賞に加え、上映後に鑑賞者同士が感想を語り合い、社会課題解決に向けた対話を促す「シネマローグ※」を提供。「シネマローグ」は約1時間、監督・プロデューサーからのメッセージ動画視聴した後、「どんな感想も受け止める」など3つのルールを共有した上で、一人ずつ感想シェアしていきます。
※「シネマローグ」は、シネマ(映画)+ダイアローグ(対話)を組み合わせた造語です。

(シネマローグの様子)
シネマローグに参加した方からは、次のような感想が届いています。
「(きょうだい当事者として)無自覚だった自身の感情や感覚を取り戻した」
「きょうだいとして何か一歩を踏み出してみよう、と映画に背中を押された」
「『きょうだい』に関心があったが、自分は当事者ではないので、どうやって知っていいかわからなかった。感想シェア会(シネマローグ)で直接当事者の声が聞けて、学びになった」
「映画を観るだけでなく、感想会があって本当に良かったと思いました。他の視聴者の感想を聞いて、映画を再度観ました。自分が発言することで、思っていることを言語化できたのですっきりした気分になりました」
シネマローグでは、社会課題について1人では気づかない新たな発見を得られるほか、考えを深め、視野を広げることができます。映画を共通項として、きょうだいや障がい者当事者と、これまで障がい者と関わりのなかった人とが、互いの思いに耳を傾けることが可能になり、双方にとって新しい交流の場にもなっています。
▼視聴方法
現在、一般向けの上映会は開催していませんが、クラウドファンディングにて映画上映権を購入した方が各地でオンライン・対面式の上映会を企画しています。具体的な日程や開催方法等は公式HPの以下のページから確認できます。
自主上映会情報:https://www.movie-of-siblings.com/category/screening/
▼映画概要
短編映画『ふたり〜あなたという光〜』
本編約40分/2021年2月11日自主上映会開始
監督・脚本:佐藤陽子
プロデューサー:三間瞳
Coプロデューサー:秋間早苗
出演:中西美帆、熊木陸斗、納葉
あらすじ: 障がい者(精神障がい)の妹・希栄がいる姉・のぞみ(中西美帆)は、恋人である崇(熊木陸斗)に希栄(納葉)の存在を打ち明けられていない。ある日プロポーズをされたことをキッカケに希栄の存在を知らせたところ、崇は困惑してしまう。そこから障がい者 家庭特有の悩みに次々と直面し、“普通”の人生とは程遠い自分の人生に絶望し、のぞみは崇との結婚を諦めようとする。ところが、あることをキッカケに改めて自分の人生を考え直していく。
▼公式サイトはこちら
『ふたり〜あなたという光〜』