IZ*ONE、解散に反対の声 一部ファンがトラックデモまで行う事態に発展し、賛否飛び交う

文=wezzy編集部
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IZ*ONE公式Twitterより

 IZ*ONEの解散が正式に発表された。3月10日、Mnetは4月をもってIZ*ONEの活動が終わると報告。日本側のIZ*ONE公式サイトも<IZ*ONEをはじめ、全てのファンの皆さまに心より感謝を申し上げますとともに、これからもメンバー12名それぞれへの応援を、引き続き宜しくお願い申し上げます>という文書をアップしている。

 IZ*ONEは3月13日・14日の2日間にわたってオンラインコンサート「IZ*ONE ONLINE CONCERT [ONE, THE STORY]」を開催予定。12人揃ってファンの前に姿を見せるのは、これが最後の機会になるかもしれない。

 ここ最近、IZ*ONEはさまざまなかたちで「最後」を印象づけるような演出をしていた。

 昨年12月に発表した「Panorama」(ミニアルバム『One-reeler/Act IV』収録)のミュージックビデオでは、これまでリリースしてきた楽曲のダンスやミュージックビデオで使われた小物が再登場。約2年半におよぶ活動の「総仕上げ」といった趣の演出が施されていた。

 今回のコンサートのために用意されたプロモーション用のコンテンツでも同様に「最後」を感じさせた。ポスターや予告動画ではデビュー曲「La Vie en Rose」と同じセット・構図が用いられ、ファンの間で話題を呼んでいたのだ。

 IZ*ONEはもともと2021年4月までの期間限定で結成されたグループ。今回の発表は予定通りではあるのだが、ファンの間では落胆の声が溢れている。「活動期間延長」説が韓国メディアで報じられていたからだ。

 昨年11月、韓国メディア「日刊スポーツ」などは、IZ*ONEに関わるメンバーや各事務所が活動期間延長に関する議論を始める予定だと報じ、1日でも長い活動を望む人々の間からは喜びの声が出た。しかし、その願いは叶わなかったようだ。

IZ*ONEが歩んだ苦難の歴史

 IZ*ONEは韓国の人気オーディション番組『PRODUCE 101』(Mnet)シリーズの第3シーズンにあたる『PRODUCE 48』(2018年6月〜10月)から生まれたグループ。

 2018年10月にデビューすると日本・韓国のみならず世界中で人気を獲得。その後もK-POP女性グループの初動販売枚数記録を複数回更新するなどK-POPの歴史にも名を刻む活躍ぶりを見せた。

 その一方、IZ*ONEはさまざまなトラブルが重なったせいで、2年半を存分に走りきることができたとは言い難い。

 まず、デビューと時期を同じくして徴用工訴訟問題が過熱。日韓関係は過去最悪と言われるほどにまで冷え込んだ。その影響はエンターテインメントの世界にも波及し、日韓合同プロジェクトであるIZ*ONEは両方の国のネット上でバッシングの対象となった。

 2019年11月には、『PRODUCE 101』シリーズのシーズン4にあたる『PRODUCE X 101』(Mnet/2019年5月〜7月)での投票不正問題が明るみとなり社会問題化。番組プロデューサーらが逮捕され、『PRODUCE 48』においてもオーディション結果の順位操作が行われていたことが判明した。

 当時IZ*ONEは初めてのフルアルバム『BLOOM*IZ』リリース直前で、コンサートドキュメンタリー映画も公開予定だったが、それらの計画はすべて白紙となり、グループも活動休止状態になった。

 『PRODUCE X 101』から生まれたグループ・X1は投票不正事件を受けて解散しただけにIZ*ONEも同じ道を進んでもおかしくなかったが、メンバーと各事務所は活動継続を決断。発売延期となっていた『BLOOM*IZ』は2020年2月にリリースされ、K-POP女性グループの初週売上枚数最多記録を更新した。

 しかし、この直後から全世界をコロナが襲う。ようやく復活したのにも関わらず、世界中を飛び回ってライブやイベントを行うことはできなくなってしまった。

 その結果、IZ*ONEは観客が入った状態での単独コンサートツアーを1回しか行えていない。2019年に韓国、タイ、台湾、香港、日本(千葉、兵庫、福岡、埼玉)をまわった「IZ*ONE 1ST CONCERT [EYES ON ME]」のみだ。最後もオンラインコンサートという、いささか寂しいかたちになってしまった。

 本来であればもっと輝かしい成績を残す可能性があったグループだけに名残惜しむファンは多く、一部ファンはかなり強行な手段にも出ている。ファン有志がコンサートの延期などを求める共同声明を出したり、メンバーが所属する各事務所付近にメッセージを書いたトラックを走らせるトラックデモも行われているようだ。

 その一方、IZ*ONEの活動延長にはファンの間ですら根強い反対意見がある。オーディション合格者を選ぶ過程で不正があったことは事実だからだ。今月11日には、韓国の最高裁にて、プロデューサーとチーフプロデューサーに対して、それぞれ懲役2年、懲役1年8カ月の実刑判決がくだされている。

 そうした背景を考えると、大成功をおさめたグループではあったが、予定通りのスケジュールをまっとうして解散できただけでも奇跡といえるかもしれない。

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