マイナンバーカードの保険証利用にある5つのメリット! 「もしも」のときじゃもう遅い

文=川部紀子
【この記事のキーワード】

新しい制度のメリットは?

 具体的にどんな時に「良かったな」と思えるのかを考えていきましょう。

①保険証「待ち」の間にマイナンバーカードで受診できる

 就職、転職、結婚、離婚、引越しなどに伴い、保険証が変わることがあります。この際、以前の保険証を使えなくなった日から新しい保険証が届くまでに最大数週間ほど間が空きます。

 その間に自分や扶養親族が病院やクリニックに行くケースは少なくありません。この間も保険適用で受診する方法もあるのですが、筆者の事務所で行っている手続き代行業務の際に「急ぎでお願いしたい」「病院に行くのですがどうすればいいですか?」と言われるのは定番です。

 マイナンバーカードの保険証利用登録をしておけば、新しい保険証を待つ間にも引き続き使うことができるので安心です。

②同意をすれば医師等に情報を共有できる

 持病で投薬を行っている方、アレルギーがある方などが、病気やケガで緊急搬送され、口を聞けない状態だったとしましょう。初めてかかる医療機関であれば通常何の情報もありませんが、マイナンバーカードの保険証利用登録をしておけば、本人の同意により今までの薬などの情報が医師等と共有できるとのことです。

 そこまでの緊急事態でなくとも、クリニックなどで「前に他でもらった白くて長いあの薬が効くような気がするのですが」など、医師にとって理解不能な説明をしてしまった経験をお持ちの方は少なくないと思います。そんな時も便利な機能ですね。

③自身で特定健診や薬・医療費の情報が確認できる

 「前回、検診を受けたのは何月だったかな?」「薬の名前は?」「あの時いくらくらいかかったかな?」など思っても、手帳、家計簿、お薬手帳ですんなり調べられる人の方が少ないと予想します。でも、マイナンバーカードの保険証登録をしておけば、「マイナポータル」で自身の特定健診情報や薬剤情報・医療費情報が見ることができます。

④医療費控除が簡単になる

 原則年間10万円医療費がかかったら、確定申告の際に「医療費控除」の手続きをすることで、税金が下がります。1月から12月までの領収書を集めて一覧表にして医療費を合計する作業はやや面倒です。マイナンバーカードの保険証登録をしておけば、「マイナポータル」で医療費などの履歴が確認できるので、取りこぼすことなく合計も簡単に済んでしまいます。

⑤高額療養費制度の対象となる場合の手続きや支払いが楽になる

 医療費が一定額を超えると、それ以上の支払いが不要となる高額療養費という制度があります。必要書類(限度額適用認定証)の準備がない場合は、一旦支払って、後で手続きをしてお金が戻ってくるという運用になるのですが、「限度額適用認定証」がなくても、最初から限度額までの支払いで済んでしまいます。一時的とはいえ、お金の工面をするのは手間がかかりますし、高額を用意するのも大変なので、こちらもメリットですね。

まとめ

 「もしもの時に役立つかもしれない」これがマイナンバーカードの保険証利用の法則です。つまり、誰にでも即刻メリットがあるわけではなく、マイナポイントのような金銭的なお得もありません。なぜならあくまで「健康保険証」だからです。

 でも、もしもの時に登録したのでは遅いので意味がない、というのも特徴です。そういった点も踏まえて登録の検討をしてみるといいでしょう。

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