日本アカデミー賞の授賞式が3月19日に行われ、最優秀賞が発表される。
優秀作品賞に選ばれたのは『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』だ。
優秀主演男優賞には、小栗旬(『罪の声』)、草なぎ剛(『ミッドナイトスワン』)、佐藤浩市(『Fukushima 50』)、菅田将暉(『糸』)、二宮和也(『浅田家!』)。優秀主演女優賞には、小松菜奈(『糸』)、永作博美(『朝が来る』)、長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP プリンス編』『MOTHER マザー』)、倍賞千恵子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)、広瀬すず(『一度死んでみた』)が選ばれている。
中でももっとも注目が集まっているのは、最優秀主演男優賞が誰になるかだ。今回は、現役ジャニーズの二宮和也と、元ジャニーズの草なぎ剛が授賞式に登壇する予定。草なぎはジャニーズ事務所と仲違いするようなかたちで退所しており、退所後は数年間、地上波テレビから姿を消していた。そのため、今回の授賞式で二宮と草なぎのツーショットが実現するのかも気になるところだ。
一方で、日本アカデミー賞において、ジャニーズ事務所の力は凄まじいものだとの見方もある。
二宮和也の伝説の「ジャニーズよいしょ」スピーチ
日本アカデミー賞においてのジャニーズ事務所の権力がささやかれるようになったのは、2016年の二宮和也のスピーチが一因であった。二宮は2016年に一度、『母と暮せば』で最優秀主演男優賞を受賞している。
その際、二宮は山田洋次監督をはじめとした『母と暮せば』関係者や、共演した吉永小百合らへのコメントではなく、いきなり、V6の岡田准一といったジャニーズ事務所内部の話をし始めた。
<もう、ありがとうございます。昨年僕の先輩である岡田准一君がこの賞をいただきまして、すごくうれしくて、家で「すごいいい酒だなあ」と思って、飲みながら見せていただきました。でも、飲んでいくうちに悔しくて。「俺も欲しいな」という風に、だんだん思ってきたときに、会ったのかな、岡田君と。そのときに、「次はお前だから」と言っていただきました。
そのときは、全然自分の中では、そこまでピントがあっていなかったですし、ここに立つということは思っていませんでしたけど、すごくうれしいですし、「とったな」と思います。2年連続で、僕が先輩の次にこれをいただくのは、すごくうれしいですし、この姿を、まあ嵐の人たちも絶対見てくれてると思いますし、喜んでくれてると思います>
さらに二宮は、ジャニーズ事務所幹部への感謝を語る。
<そしてジャニーさんとメリーさんとジュリーさんと、今までずっと迷惑をかけてきた人たちに、これでちょっとは恩返しができたかなと思うと、すごくありがたく、また頑張っていこうと思っています。今日はすごくいい酒が飲めそうだなと。岡田君に自慢します。本当にありがとうございました>
テレビ放送では事務所幹部への発言はカットされたが、ニュースサイトにはスピーチ全文が掲載されたため、ネット上では大炎上。ジャニーズ事務所のことしか話さないあまりに歪なスピーチから「ジャニーズ事務所が金とコネで日本アカデミー賞を乗っ取った」「この賞が出来レースであることを自ら暴露したのか?」などの憶測が飛んだ。
なお、この年に最優秀作品賞と最優秀監督賞に選ばれたのは、『海街diary』の是枝裕和監督だが、是枝監督は<アメリカ本国も、アカデミー賞でいろんな問題を受けていましたが、このイベントも、日本の映画人がみんなで祝えるイベントになるには、まだまだいろんな改革をしなければいけないところがいっぱいあります>と、日本アカデミー賞に公平性がないことをほのめかす意味深なスピーチをしている。
不穏な噂がされている日本アカデミー賞。仮に二宮和也が今年の最優秀主演男優賞を受賞した場合、どのようなスピーチが聞けるのだろうか。