フィッシャーズ、ケンカを乗り越え築いた絆 彼らがトップYoutuberであり続ける理由とは

文=千葉佳代
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 2021年3月25日、人気YouTuberグループ・フィッシャーズのシルクロードが自身のTwitterで、1000万再生を超える動画が300本を突破したと明かした。

 シルクロードはTwitterを通じ、「日本YouTuberでは、いまのところ初めての快挙との噂です」「ありがとう!! 長くみんなに見続けられてる動画が多いのは、本当に嬉しい」と喜びのコメントを出した。

 トップYouTuberであっても、1000万回再生されるのは容易なことではない。ヒカキンが129本(全体の4.5%)、東海オンエアが100本(5.3%)、はじめしゃちょーが77本(3.7%)だ。フィッシャーズは出してきた動画の13%が1000万再生を叩き出しているので、その打率の高さが際立つ。

 なぜこんなにもフィッシャーズの動画が再生されるのか。その答えは、彼らの動画の作り方にある。フィッシャーズの動画はとにかく「分かりやすいから笑える」のだ。

 以前、フィッシャーズの動画が海外でバズッたことがある。それは、体を鍛えており、脛の固さに絶対的な自信を持っているシルクロードが、いろんな固いものを脛にぶつけてみるという企画だった。

 口にハーモニカをくわえ、鳴らさずに我慢するシルクロードに対し、メンバーはかぼちゃや大根などを容赦なく叩きつけていく。そのうち、フライパンや消火器といった物騒なものまで飛び出し、シルクロードはあまりの痛さに「ファ~~♪」と音を鳴らしながら倒れた。これが「Funny」だと話題になり、半年も経たずに動画が1000万回再生を突破したのだ。

 フィッシャーズは、子供から大人まで、そして海外の人でさえ面白がれる「わかりやすい」動画作りを心掛けている。そのため、いつもわちゃわちゃと元気に遊んでいるフィッシャーズの動画を見続けていると、まるで近所のお兄さん・仲良しの友人・元気のいい息子のような親しみをメンバーに感じるようになるのだ。

 芥川賞作家・辻仁成も親子でフィッシャーズのファンだと公言しているが、世代を超えて、フィッシャーズは愛されている。視聴者の世代が「若者」「子ども」と特定されていないこともフィッシャーズの動画再生回数が抜きんでている理由だろう。

 そんな大人気のフィッシャーズ。よくファンに「フィッシャーズはケンカしないんですか?」と問われることもあるというが、実はフィッシャーズを始めた当初はよくケンカしていたという。

 例えば5年前。遠征旅行に出かけた際、動画撮影で疲れていたメンバーは3本目の動画を撮りに行くか行かないかで揉めたという。

 3本目の動画の企画はゾンビに追いかけられながら、捕まらないようにミッションをクリアしていくというものだったが、夜遅くだったこともあり、メンバーの何人かが「ホテルの夕食の時間があるから帰る」と言って帰ってしまった。

 シルクロードとンダホは急ぎ足で撮影に向かい、仕事を終えると、疲れ果ててカレーを食べに行った。「なんで2人しか残ってないんだ」と文句を言いながら携帯をパッと見ると、メンバーから「ホテルの飯最高でした!」というメッセージと写真が送られてきており、その瞬間、「ふざけんなよ、あいつら! なにしにきたの!?」と、ンダホは激怒したという。

 しかし翌朝、前日の疲れがあったンダホが寝坊すると、マサイが「あいつ寝坊じゃん」と文句を言った。「昨日、お前らはホテルで飯食って寝たんだけど、こいつ(ンダホ)は撮影きてくれて寝坊してるから、そんなキレんでええだろ」とシルクロードはムッとしたそうだ。

 当時は遠征をメンバーがほとんどしたことがなく、遠くに行って撮影することがなかった。そのため、集団行動に慣れていないが故の揉め事がよくあったという。とはいえ、それはもう昔のこと。今は喧嘩もほとんどなく、遠征でも揉めなくなったそうだ。

 唯一揉めるのは遠征でシルクと同部屋になりたくない、ということぐらい。シルクは夜中まで編集作業をしていると、同部屋の人にちょっかいを出したくなるらしく、みんな一緒の部屋になりたくないらしい。

 カメラが回っていない間でも、そんなやりとりがあると聞くとファンとしてはほほえましくもある。このフィッシャーズの仲の良さこそが彼らの人気の秘密でもあるのだろう。これからもフィッシャーズは日本のYouTubeを引っ張る存在になりそうだ。

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