レイプ被害を乗り越えビジネスで成功した、コンゴ女性ホノリンのケース

文=wezzy編集部
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 コンゴ民主共和国の南キブ州サンゲで暮らすホノリンさん(仮名)。彼女がレイプ被害に遭ったのは5年前。赤十字国際委員会(ICRC)から経済的支援を受け、現在は病院で働くほか、レストランや食料雑貨店を経営するなど多忙な日々を過ごしています。つらい過去を乗り越えビジネスで成功したことで、同じように性暴力の被害を受けた人々にとっては励みとなる存在です。

 「起床は毎朝5時。早めにやるべきことを済ませておいて、夜はすぐ眠れるよう心掛けています」。3人の子どもの母親でもある彼女は、家庭と病院、そして2つの事業を切り盛りしながら、日々分刻みで立ち回っています。

「病院の仕事はシフト制で、日勤だと午後4時頃に仕事が終わるので、食料雑貨店かレストランかどちらかを手伝いにいきます。二つのお店で、計6名の従業員を抱えています」

 日中に時間が空くと、彼女は勇んでレストランの厨房に入ります。朝早くからレストランは多くの客であふれ、彼女の夢の実現に一役買いました。「このビジネスのおかげで看護の勉強をするお金を賄えました」と感謝を口にします。

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南キブ州ルジジ平原に位置するサンゲ。©ICRC

 サンゲが位置する南キブ州のルジジ平原は、犯罪率の高さで知られています。周辺の山々を拠点としている国内外にルーツを持つ武装集団が、性暴力や身代金目的の誘拐を日常的に繰り返しているのです。

 2016年のある日、ホノリンさんは町外れで薪を集めていました。そこへ、「2人の武装した男がどこからともなく現れて、私をレイプしたのです」と彼女は語ります。

 身も心もボロボロになった彼女は、深刻な社会的影響も受けました。レイプによって汚名を着せられ、覇気がなくなり、収入も減り続ける一方でした。「生きる気力が消えうせました」と彼女は当時を振り返ります。「ですが、それはもう過去のことです」

 彼女はレイプされた直後 、性暴力の被害者を支援する地元団体「SOPADI」の職員に出会いました。「職員の女性たちは気持ちよく受け入れてくれて、私の話に耳を傾けてくれました。病院にも連れて行ってくれたんです。彼女たちがいなければ、今の私はいません」

 治療後、ホノリンさんはICRCから、性暴力の被害者の自立支援の一環である経済的支援を受け、それを元手に起業を果たしました。

「ビジネスを始めて、そこから得た利益で借金を返済すると、そこからさらにほかのローンも組めるようになりました」。彼女は続けます。「今の私があるのも、ここまでたどり着けたのも、SOPADIで働く女性たちとICRCの支援のおかげです」

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サンゲのカウンセリング施設で性暴力の被害者と話す心理カウンセラー(写真左)。北キブ州と南キブ州に40存在する同施設では、 ICRCの支援により被害者のケアやサポート業務を行っている。 ©ICRC

 コンゴ民主共和国で性暴力問題に取り組むICRCチームを率いるサラ・ケナティは、次のように語ります。「私たちの役割は、被害者に治療や心のケアを提供することに加えて、経済面で自立し社会復帰ができるよう支援することです。つまり、被害に遭った女性たちが自信や尊厳、そして社会の中での居場所を取り戻すお手伝いをしているのです」

 SOPADIを通じてホノリンと出会った心理カウンセラーのサディキ・ルキヤは、彼女のこれまでの歩みを振り返ります。「ホノリンは勇気と気力を振り絞って前に進みました。絶望し、自らを恥じ、人目を避けて過ごしている女性たちにとって、ホノリンは今や憧れの女性です。 肩身の狭い思いをしながら、くよくよしなくていいんだよ、と教えてくれるのです」。

 「良い人生を送るために女性も働いて稼がなくちゃ! 」ホノリンさんは、きっぱりとこう言い切ります。「調理油を一缶売るだけでも、人生の足しになるんだから」

 2020年、ICRCはコンゴ民主共和国で、性暴力の被害者3,710人に治療や心のケアを提供しました。

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