「コロナバブル」が色あせてきた…金融緩和がもたらした好景気を終わらせる兆候が次々と浮上

文=斎藤満
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 日本株に関してはさらに中国株の影響を受けるようになっていて、これも日本株の重しになっています。ひと頃は中国がいち早くコロナ禍から脱出したため独り勝ちの状況で、中国株を買えない投資家が、中国株の代わりに中国の恩恵を受けやすい日本株を買っていました。これも日経平均3万円越えに寄与したのですが、米国の中国叩きが本格化するにつれ、中国株安から日本株安に跳ね返るようになりました。

 トランプ政権時代は表向き貿易戦争で中国を攻めたてているように見せて、中国経済から甘い汁を吸う意図もうかがえました。一方、バイデン政権はまた違った姿勢で中国と対峙しています。3月にアラスカで行われた米中外交トップの会談では、新疆ウイグル自治区の人権侵害などについて非難の応酬がありました。

 EUは別途、新疆ウイグル自治区の人権侵害に関わった政府高官や団体に対して、EUへの入国拒否を提示。オーストラリア、ニュージーランドも米国やカナダの制裁を評価すると言い、中国非難の共同声明を出しました。

 戦前の日本が「ABCD包囲網」によって身動きが取れなくなり、太平洋戦争に追い込められた状況に似て、中国包囲網が構築されています。

 また、国境炭素税の構想をめぐる多国間協議も始まっています。これは表向き環境対策の一環として二酸化炭素排出量の多い国の製品に関税を課す考えで、結果的に、世界最大の二酸化炭素排出国である中国が狙い撃ちされた形になります。香港のハンセン株価指数や上海総合株価指数は2月のピークから10%余り下落しました。

 日本株はこの中国市場の影響を受けやすいうえに、二酸化炭素排出量は日本も多く、炭素税の負荷は日本にも及びかねません。これもコロナバブルを冷やす要因になっています。

 米国を中心とした大規模な金融緩和の前提がすぐに崩れることはないとしても、これにすがったコロナバブルは、こうした政治リスクや財政拡大の副作用にもさらされ、バブルが色あせてきました。特に中国に近い日本株には春の嵐が吹きやすくなってきただけに、注意が必要です。

(斎藤満)

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