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幼児の飛び出し防止グッズとして、リュックやぬいぐるみなどと一体になった子ども用ハーネス。事故や迷子を防げる道具として欧米では一般的だが、日本では「まるでペットのよう」と否定的な声が根強く、数年前からたびたび論争になっている。先日からSNS上で話題が再燃していることを受け、4月19日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)でも子ども用ハーネスについて取り上げた。
今回、この話題が盛り上がるきっかけとなったのは、SNSに投稿されたエッセイ漫画だ。数年前に子ども用ハーネスを使っていたところ、見知らぬ男性から執拗に責められ、その恐ろしさにハーネスを使いにくくなってしまった経験が描かれている。SNSでは使用に肯定的な意見が多く寄せられたものの、個人宛のメッセージでは強い言葉で否定する人もいたそうだ。漫画の投稿者は番組の取材に対して、「子どもの安全を守るためのものという認識が広がってくれるとうれしい」とコメントを寄せた。
ペットのようだという見た目の抵抗感と、安全を確保したいという思いが対立するハーネス問題。厚生労働省が発表する「1〜4歳の不慮の事故による死因」で最も多い交通事故を防げるという専門家の意見が紹介されたが、番組コメンテーターたちは「やりたい人はやればいい」との意見がほとんど。
番組視聴者からは、「まずハーネスがペットに使うものっていう発想は捨てたほうがいいと思う。登山だったり高所作業だったり、人の安全を確保するものが人に使うハーネスで、動物を操縦するものとは意味が違う」とハーネスを肯定するものもあれば、「それでもペットみたいと思ってしまう」など、賛否両論が出ている。
ハーネスを使用することで、子どもの事故を未然に防ぐことができるのは事実だ。一方で、見た目に抵抗を感じる人がいることも理解でき、結局のところ、子ども用ハーネスを使うか使わないのかは、各家庭で話し合って決めることだろう。大切なのは、使う・使わない、それぞれの選択を尊重し合うことではなかろうか。