東大・清水晶子教授によるオンライン講座「ジェンダー・セクシュアリティ論入門 性と身体の多様性を考える」(全6回)開講

文=wezzy編集部
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Getty Imagesより

 東京大学大学院教授・清水晶子氏を講師に迎えた、オンライン講座「ジェンダー・セクシュアリティ論入門」が、5月21日より開講されます。

 私たちの誰もが、ジェンダーや性、つまりセクシュアリティと全く無関係に生きることはできないでしょう。この世に生まれ落ちた瞬間から、身体的な特徴に基づいて「女」「男」の性別を与えられ、学校、職場、家庭など、生きていくあらゆる場面において、振る舞いや発言などから、常にジェンダー化されていきます。

 そして、意識的かつ無意識的にも「女らしく」「男らしく」という社会で求められている「ジェンダー規範」通りに振る舞うことを常識と見なすようになっていきます。

 例えば近代社会の中で構築されてきた「男らしさ」とは、次のようなものが挙げられるのではないでしょうか。

・泣かない、感情的にならない(※ただし、怒る、怒鳴るのは問題ない)
・支配的で女性を「守る」(※実際は、自分より弱い立場の「守る」べき存在を生み出し、自分の優位性を担保するための自作自演ともいえるかもしれません)
・力強くタフであり、弱さは見せない
・働くことは義務であり、一家の大黒柱となることを期待される(女性は任意)

 男性に押し付けられるこうした「男らしさ」の反対が、「女性らしさ」といえるかもしれません。

 私たちがこのような「男らしさ」「女らしさ」の価値観を土台とした社会で生きていることに気がつくだけでも、この社会や人間生活を理解するためにジェンダー・セクシュアリティの視点が不可欠だということがわかります。

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Photo by Nicole De Khors from Burst

 3月31日に世界経済フォーラム(WEF)が発表した、世界156カ国の男女格差を比較した報告書で、日本は120位となりました。これは主要7カ国(G7)で最下位の結果です。

 日本は1972年に「男女雇用機会均等法」、1999年には「男女共同参画社会」が制定され、法の下にジェンダー間の平等が保障されたかのように見えます。また、かつては問題提示すらされず、黙殺されてきた「セクシュアルハラスメント」が社会問題として取り上げられるようにもなりました。

 そのため、世間では「昔はもっとひどかった」「以前よりは『まし』になった」というような風潮も見受けられますが、以前より「まし」になったことが、この問題を乗り越えたことにはなりません。

 現実は日本のジェンダー格差は先進国で最低レベルです。まだまだ、ジェンダー格差の観点からは日本は後進国といえるでしょう。この問題を乗り越えることなくして、日本は先進国として一歩も前に進むことはできないと、ひとりひとりが自覚し、変化を起こそうと意識することが大切ではないでしょうか。

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Photo by sarah assi from Burst

 性役割は時代や国ごとに、そして社会の変化と共に常に恣意的に構築され、個々人に押しつけられるものでもあると考えられます。また、性という人間に備わる変数は単に男女の二元的な枠にはとどまらず、多様なセクシュアリティ(性的指向)さらには人種、民族、国籍、宗教、階級・階層などとも結びついていきます。社会や人間生活を理解するためには、これらの多様性についても考えていく必要があります。

 この度始まる「ジェンダー・セクシュアリティ論入門」講座では東京大学・清水晶子教授を講師に迎え、私たちの生活に深く根差したジェンダー・セクシュアリティについての理解を深めていきます。

〈講師〉
東京大学大学院 教授 清水晶子先生
中央大学経済学部講師を経て、2007年より東京大学総合文化研究科准教授、2017年9月より現職。専門はフェミニズム/クィア理論、 とりわけ身体と性の表象に関わる文化政治。

【講座案内】講師より
若い世代を中心とした世界的なフェミニズムの盛り上がりを見た2010年代を経て、予想もしなかったパンデミックで幕を開けた2020年代の現在、ジェンダーやセクシュアリティの多様性を念頭におきつつ、私たちの生きている世界をどのように理解していけば良いのでしょうか。この講座では、「多様性」をキーワードに、ジェンダーやセクシュアリティに関する思考と運動が何をもとめ、何を獲得してきたのか、世界をどのように理解し、理解のためのどのような新しいことばを作り出してきたのか、そしてどのような新しい問題に直面しているのか、それを見ていきたいと思います。

〈カリキュラム〉
第1回 5/21「女」の可能性を切り開く―フェミニズムが目指してきたこと
第2回 6/18 多様な女たちの差異―インターセクショナルなフェミニズムに向けて
第3回 7/16 家父長制、性別二元論、そして異性愛主義
第4回 8/13「クィア」という姿勢―エイズ・パニックとコロナ禍を結ぶ
第5回 9/10「LGBT」をどう使うのか―ダイバーシティと新自由主義
第6回 10/08 バックラッシュから反ジェンダー運動へ―2021年の現在地を確認する

講座名:【オンライン】「ジェンダー・セクシュアリティ論入門 性と身体の多様性を考える」
講師:東京大学大学院 教授 清水晶子先生
開催日時:2021年5月21日(金) ~全6回 19:00~20:00
受講料金:NHK文化センター会員・一般(入会不要) 税込19,800円(全6回)
※本講座は後日、期間限定でアーカイブ配信(見逃し配信)致します。
本講座をお申込の皆様限定で後日ご案内致します。
▼お申込みはこちらから
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1228258.html
主催:NHK文化センターオンライン教室

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