
「Johnny’s web」より
ジャニーズ事務所の有料モバイルサイト「Johnny’s web」がリニューアルされ、ファンの間で話題になっている。
同サイトでは、主に所属タレントのブログを配信している。ジャニーズタレントは木村拓哉など一部の例外を除けば個人でSNSをやっていないため、ファンにとってはタレントの素顔が覗ける貴重な場だ。
リニューアルによって何が変わったのか。まず、サイトのデザインが一新され、新たなタレントのページが追加された。さらに、お気に入りのタレントのブログがリスト化できる「フォロー機能」と、InstagramやTwitterのように、投稿に「LIKE」を押せる機能も加わった。
今回のリニューアルに対してファンからは、「フォロー機能は便利!」「さっそくLIKEを押しまくってる」など、喜びの声が多数寄せられている。今まではタレントが一方的に情報を発信するかたちであったが、「LIKE」を押すことで、ファンも心ばかりではあるが気持ちを返すことができる。
しかし一方で、フォローや「LIKE」によってタレントの人気が数値化されることを不安視する意見も少なくない。
ファン投票による「総選挙」や、握手券の売上などによってグループ内の人気格差が可視化されるシステムをもつAKB48グループや坂道シリーズの出現によって、女性アイドルグループの間では、各メンバーの人気が顕著に表れる機会が当たり前になった。
一方で、ジャニーズ事務所は長年、そうしたことを行ってこなかった。しかし、YouTubeや事務所のSNSアカウントを開設するなどデジタル化の流れによって、徐々にメンバーの人気が数値化される機会も増えてきており、ファンの間では物議をかもしている。
たとえば今年2月14日、ジャニーズ事務所の社会貢献・支援活動プロジェクト「Johnny’s Smile Up!Project」のInstagramでは、所属タレント一人ひとりが手書きのメッセージカードを持った写真を投稿。Instagramには「いいね!」を押す機能とコメント欄が搭載されているため、自然とメンバーの人気を測る役割を果たすことになった。一部では、自分の推すメンバーのためにとコメント数や「いいね!」を争う人も出現し、ファンの間で対立が激化したという。
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今回「Johnny’s web」に新たに加わったフォローや「LIKE」は、ユーザーが数を見ることはできない仕様になっているものの、当然、事務所側は数を把握することができる。こうした機能を追加した背景には、数値を参考に売り出すメンバーを決めるという思惑もあるのかもしれない。
タレント同士がお互いの人気度を知ることは、モチベーションアップにつながるというメリットもあるだろう。ただ、明確に数字で表れることにより、当然、タレントのメンタル面へのダメージが大きくなることも予想される。女性アイドル業界を見れば、人気投票が原因で精神的に追い詰められたという話は少なくない。こうした前例がある以上、ジャニーズ事務所が適切なフォロー体制を構築できるのかには不安が残る。
ジャニーズタレントたちのメンタル不調
ここ数年、ジャニーズタレントのメンタル不調が表に出てくるようになった。最近では、Sexy Zoneの松島聡とKing & Princeの岩橋玄樹(今年3月いっぱいで退所)がパニック障害の療養のため芸能活動を休止。Sexy Zoneに至っては昨年12月から、マリウス葉も体調不良を原因に活動を休止している。
KinKi Kidsの堂本剛も、多忙であった10代のころに過換気症候群(過呼吸症候群)、パニック障害を発症していたことを公表しており、症状が緩和されるまでには結構な時間を要したようだ。
また、過激なファンによるストーカー被害の問題もタレントを苦しめている。2018年には関ジャニ∞の大倉忠義が「Johnny’s web」のブログで<執拗に追いかけてくる><カバンの中にモノを入れられたり 突然手を繋がれたり>といったストーカー被害を告白。<普通の人に戻る方がよっぽど楽だろう><そろそろ限界だ>と悲痛な胸の内を綴り、心配の声が殺到した。
SNSが普及したことで、タレントのプライバシーが拡散される問題も深刻化している。先日からはSixTONESの松村北斗が雑誌「東海ウォーカー」(KADOKAWA)の連載エッセイで、実家の場所と写真、自分に関する真偽不明なプライベートな情報がネット上で誰でも閲覧できる状態になっている怒りを綴り、話題になっている。
このような現状を知っているファンであれば、人気の数字化により、タレントのメンタルへの負担が増えることに不安を覚えるのは当たり前だろう。人気を数字で測るのであれば、ジャニーズ事務所には徹底したフォローをお願いしたい。