稲垣吾郎が俳優としての新境地を開拓した舞台『サンソン』の魅力に迫る

文=秘密のアツコちゃん
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 白井さんは「この様な時世の中で、これほどエネルギーを必要とする作品を作ることが本当にできるのか、大きな不安を持ちながら創作は始まりました。ムッシュー・ド・パリと呼ばれたサンソンが辿った人生は、今の私たちからはおよそ想像できないほど過酷なものだったはずです。ですが懸命にリハーサルを積み重ねるうちに不安は消えていき、死神のように恐れられたシャルルーアンリ・サンソンの、心の奥底に流れる優しさに触れることができた気がするんです」と。

 そうそう、そうなのよ。吾郎ちゃんが演じるサンソンは、冷酷無慈悲な死刑執行人なんかじゃなくて、苦悩しつつも職務をまっとうした人物として存在していて、自然と寄り添うことができる感じなのよ。2時間があっという間で、帰り道、一緒に行った編集マンと「もう一度じっくり見なくちゃね」と言い合ったぐらい。ゆっくりと静かに感動が押し寄せてくるって感じで、帰りの電車の中でも興奮冷めやらず……。

 吾郎ちゃんも「久しぶりの新作舞台。心地よい緊張感の中で稽古を続けることができた。ドラマも舞台も挑戦あるのみだね」と自信を覗かせていたのに、この緊急事態宣言で東京公演が休止となってしまって残念無念。でも「必ず再演しますから。劇場でお会いしましょう」と優しいメッセージをくださいました。

 お休みと言いつつも出演者の皆さんは準備万端で、演技にもさらに磨きがかかり、いつでもすぐに再開できるご様子。いやぁホント待ち遠しいわ。吾郎ちゃんの熱演はもちろんだけど、衣装もどれもこれも素敵ですっごくお似合い。またまた叱られそうな余談だけど、吾郎ちゃんのプリっと上がったキュートなヒップも存分に堪能できちゃいます。(うわっ、絶対に怒られる〜)。

 今までの吾郎ちゃんの舞台は全制覇しているんだけど、シリーズ化となった主演舞台『No.9ー不滅の旋律ー』でのベートーヴェンとは、当たり前だけどまた全然違う演技でね。あの大暴れする狂気の天才音楽家・ベートーヴェンを観た時も衝撃を受けたけど、この『サンソン』も本気で度肝を抜かれたし、シリーズ化して欲しいなと思って。

 あ、ちなみにアツはこのタイトルをまた間違って『No.5』と言ってしまい、周りから「それはシャネルの香水だろ〜が」と散々突っ込まれましたけど何か? こんなミスも通常業務ですのでごめんあそばせ。

 大人を魅了するミュージカル『君の輝く夜に〜FREE TIME.SHOW TIME〜』もオシャレだし楽しくて大好き。吾郎ちゃんの舞台ってホント奥が深くて何度も何度も観たくなっちゃうものばかりなんだもの。次の大阪公演、福岡公演の予定はまだたっていないけど、東京公演も含め、吾郎ちゃんが「必ず劇場で!」と言ってくれていますし、サンソンもずっとあなたを待ってくれていますので、もう少し首を長くして深く静かに待機ですね。さぁ『サンソン』、また絶対にお目にかかりましょう!

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