山本舞香「男性にお金出させたくない」 「奢る・奢られ」論争はパートナー間でのコミュニケーション不足が問題か

文=雪代すみれ
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山本舞香Instagramより

 俳優でモデルの山本舞香が、「男性にお金を出させたくない」と発言し、注目を集めている。

 山本は5月9日放送の『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』(テレビ朝日系)にゲスト出演。番組では“身の回りの「やり口かっこ悪い」人の生態”についてトークが広げられた。

 話を振られた山本は<私、男性にお金を出させたくないんですよ>と切り出し、「奢ることでマウントを取ろうとする人が嫌」と説明。

 これに対し、アナウンサーの新井恵理那は「かっこいいですね」とコメントし、爆笑問題・田中裕二も「そういう人が嫌なんだね」と理解を示した。

 一方、霜降り明星・せいやは<それでも「僕が出しますよ、男だから」って言ったらどうするんですか?>と問う。すると、山本は<もう出したんで。最初に店入った時にカード渡してるから大丈夫です(って言います)>と断るための対策を徹底していると明かした。

 この回答にせいやは「中学の女友達で(女子同士で)顔面殴り合う友達はこんな感じだった」と反応していた。

繰り返される 「奢る・奢られ」論争

 男女間の「奢る・奢られ」論争は今に始まったことではなく、「女性も働いてるのだから男性ばかり奢るのはおかしい」「『奢られて当たり前』って態度の女性は嫌」「女性でも財布を出して払うフリはしてほしい」「男性からご馳走で好意を示されるのは嬉しい」「男性に借りを作りたくない」「対等な関係を築きたい」「女性から奢りを拒否されるとプライドが傷つく」……など様々な議論が繰り広げられ続けている。

 今回の山本舞香の発言には「マウントとりたがる男性からは奢られたくない」「変な男性も近寄ってくるから自衛のためなんだろう」など、共感を示す声が続出している。

 なお、「食事を奢る=肉体関係を結べる」と勘違いしている人も存在するようだ。

 2017年放送の『あさイチ』(NHK総合)では、「性行為の同意があったと思われても仕方ないと思うもの」として、「二人きりで食事」が11%、「二人きりで飲酒」が27%といった回答が紹介されており、波紋を広げた。

 また、2018年にはイラストエッセイストの犬山紙子さんが「高いご飯を何度か奢り相手に罪悪感を持たせて体の関係を迫る男性」について、ブログにて注意喚起をしている。

 ネット上では「食事のご馳走を対価にホテルに誘われた」といった経験談が共有されることも多い。もちろん男性全員が下心を持って誘っているわけではないが、女性が奢る行為に警戒心を示すのも特別なことではない。

根強いジェンダー規範

 一方で、「奢られることをマウントなんて考えたことなかった」といった意見や「可愛げがない」「こういう子と食事しても楽しくない」など否定的な声もしばしば見られる。

 このように人々が「男性なら/女性ならこうすべき」という規範に縛られてしまうのは、ジェンダー規範がまだまだ根強いことを示してもいる。

 2019年に「LEAN IN TOKYO」が公表した男性の生きづらさに関する調査では、約8割が「『男だから』という固定概念やプレッシャーにより生きづらさを感じたことがある」と回答している。具体的には、「力仕事や危険な仕事は男の仕事という考え」「デートで男性がお金を多く負担したり女性をリードすべきという風潮」の得票数が多かった。

 であれば、山本舞香のように経済的に自立した女性の姿勢は、前向きに捉えられていいはずだ。しかし、前述の番組では霜降り明星・せいやが、山本を中学時代に女子同士で殴り合っていた同級生と結びつけていた。つまり“女性らしくない”ということが言いたかったのだろう。

 ネット上でも「可愛げがない」など、山本を“女性らしくない”と否定するコメントは少なくない。

 一方で、一般的には財布を出さないなど、「奢ってもらうのが当たり前」という態度も抵抗感が示される。つまり、女性に「男性を立てる慎ましやかさ」を求める人は今でも多いということだろう。

規範よりも相手とのコミュニケーションを

 「奢る・奢られ」論争について、毎度結論が出ないのは「何を求めているかは人によって異なり、一般論的な正解はない」ことを意味してもいる。「あるべき」正解がない以上、一般的な正解を求めて議論しても決着はつかない。

 なぜ一般的な正解を求めたくなるのか——それは相手と面と向かって話し合いにくい内容だからではなかろうか。自分がどんな意見を持っているのか、なぜその意見なのか、相手はどう考えているのか。正解のないテーマについて考えを確認するのは、手間も負担も大きい。だから「こうしておけば正解」といった答えが欲しくなるのかもしれない。

 だが、「奢られたくない」と示している人に、無理やり奢ろうとすることは、同意の取れていないコミュニケーションである。社会的に勝手に作られた「男性なら/女性ならこうすべき」というモデルに縛られるのではなく、目の前にいる相手がどう考えているかを大切にしたほうが、自分と相手と双方の考えを尊重した選択ができるだろう。

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山本舞香「男性にお金出させたくない」 「奢る・奢られ」論争はパートナー間でのコミュニケーション不足が問題かの画像2 ウェジー 2018.02.20

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