プラスサイズモデル・Naoさんが過激なダイエットと過食から抜け出せた理由とは

文=小澤佐知子
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プラスサイズ女性専門のファッション誌『la farfa』でモデルを務めるNaoさん

 「体型や容姿に自信が持てない」「他人と比べて落ち込んでしまう」……そんなネガティブな感情から自己嫌悪に陥り、悩んでいる方は少なくないと思います。しかし今、「ボディポジティブ」という考えが注目を集めています。

 「ボディポジティブ」とは、“ありのままの自分を受け入れ愛する”こと。決して簡単なことではありませんが、偏った周囲の声や価値観から解放され、生きやすい世界が切り開かれるかもしれません。

 プラスサイズ女性専門のファッション誌『la farfa(ラ・ファーファ)』(ぶんか社※)でモデルを務めるNaoさんも「ボディポジティブ」の考え方で前向きな人生を生きることができるようになったひとり。

※2019年7月から、ぶんか社グループ文友舎が発行。

 今回、Naoさん自身が過度なダイエットで心身を壊した経験、そこから抜け出して自分を認め愛する考えにシフトしたきっかけや、体型に関する自己嫌悪に悩む人に向けたアドバイスをお話いただきました。

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Nao (なお)
1986年生まれ。2013年より雑誌『la farfa』(文友舎)でプラスサイズモデルとしての活動を開始。自身の摂食障害の体験をもとに、SNSでの発信やコラム執筆・講演などで自己否定感に悩む女性に向けた啓発活動を行う。

公式サイト:https://www.naoyoshino.com/

twitter:@cheese_in_Nao

instagram:naopappa

SNSで‟逆ビフォア・アフター“をアップした真意とは?

――「ボディポジティブ」という言葉が日本でも使われるようになり、NaoさんのSNSでの発信が、より注目されているように感じます。「ありのままの自分を愛そう」という発信の中でも、ダイエット広告を風刺して話題になった“逆ビフォア・アフター”に勇気づけられた人も多いようです。いわゆるコンプレックス広告に対して、どのような感想をお持ちですか?

Naoさん:以前、過激なダイエットを盲信し、拒食症の末に孤独死された女性がいるということを耳にした際、‟女性は痩せているほうが美しい”という歪んだ価値観が肥大化した影響ではないだろうかと感じたことがあります。

 コンプレックスを刺激する広告のあり方には、これまでも疑問を抱いていました。しかし、怒りの表現ではなく、「ユーモラスな発信ができるといいな」と考え、ダイエット広告でお決まりのビフォア・アフターを真逆にし、ビフォア画像を痩せて不健康だった私、アフター画像を自分の体型を受け入れた今の姿にし、Twitterに投稿しました。

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Naoさんが発信したパロディ広告

見知らぬ子に「体重何キロ?」と尋ねられて

――Naoさんは過度なダイエットで苦しんだ経験を発信されていますよね。なぜ、そこまで精神的に追い詰められてしまったのでしょうか?

Naoさん:幼少期に「デブ」とからかわれたり、見知らぬ子に「体重何キロ?」と尋ねられたことがありました。そうしたことが続くと次第に、「太っている私が悪いんだ」と思うようになって……。

 両親は、「大人になったら、背が伸びるから大丈夫」と励ましてくれましたが、思春期になるとテレビでは健康番組が流行り、さまざまなダイエット情報が目に入るようになりました。当時の交際相手も、「痩せている女性が好き」と言うので、いろんなダイエットにトライし、数カ月で30kg減量するような極端なダイエットにハマってしまいました。

 彼も、痩せた私の姿を褒めてくれましたが、ふとしたきっかけで過食し、ダイエットと過食を行き来するうちに、心身のバランスを崩してしまったんです。

――そんなNaoさんに対して、交際相手の反応はいかがでしたか?

Naoさん:その頃、彼に食事内容をメールで報告するほどダイエットに必死でした。しかし、リバウンドすると「節制できないお前が悪い」と言われては落ち込み……。そんな感じで、25歳まで “食べること”に悩み続けました。

――具体的にはどのような行動に悩まれていたのでしょうか?

Naoさん:食欲をコントロールできている時は、すべてカロリーが少ないものを選択。ところが、仕事などでストレスが高じるとドカ食いが始まり、歯止めがきかなくなるという極端な状態です。もはや、食事ではなく“心の不安を埋める作業”で、お腹がいっぱいでも食べ続けてしまうんです。

――そこから立ち直ったきっかけを教えてください。

Naoさん:ある時、プロフィール情報を扱う仕事に携わり、顔や全身の写真、スリーサイズなどを整理・編集する作業を担当しました。そこには何万という人がいて、顔や体型は千差万別。あらためて、「同じ人は一人もいない」と感じました。

 それまで私が抱いていたぽっちゃり女子のイメージは、ダイエット広告でいう暗い顏でうつむくビフォア。ところが、中には、ぽっちゃりした人が自信に満ちた笑顔の写真もありました。

 そこで、「世間の価値観になびいて体型を気にし過ぎていたら、人生を損しているかもしれない。自己否定をやめてみよう」という感情が溢れ、今までの価値観を見直し、ありのままの自分の容姿を肯定できるようになりました。同じような悩みを抱える女性にとって、私の経験が役に立てたらうれしいですね。

※後編に続きます

(インタビュー・文=小澤佐知子)

●『la farfa』(ラ・ファーファ)
「日本初の“ぽっちゃり女子”のための本格ファッション誌」をコンセプトに、2013年3月に創刊。雑誌名はイタリア語で「蝶」を意味する「farfalla(ファルファッラ)」に由来。サナギが華やかな蝶になって羽ばたくように読者にも綺麗に変身してほしいという願いが込められている。奇数月20日発売。

公式サイト『@la farfa』: https://lafarfa.jp/
公式Twitter :@la_farfa_info
公式Instagram :lafarfa.official

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