文具ファンから熱狂的支持を集める「測量野帳」シリーズから、より普段使いに適した「野帳」が登場!

文=他故壁氏
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 測量野帳ってご存知ですか。

 1959年に発売された、測量士が野外で使用するためのミニノートです。

 個人でご使用になった経験はないかもしれませんが、 濃いグリーンの表紙に見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 測量野帳は、測量士の仕事やフィールドワークの記録に適した「レベル」(水準測量機器〈レベル〉を使用し、地点間の高低差を測定したものを記録する)、「トランシット」(角度計測機器〈トランシット〉を使用し、距離と角度の測定データを記録する)、「スケッチブック」(現場スケッチなどに使用できる3ミリ方眼)という、やや特殊な罫線が引かれた3製品がラインナップされています。

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 この「プロ御用達」の測量野帳が、一部の一般ユーザーによって注目され、「便利な手帳」として使われるようになりました。中でも3ミリ方眼の「スケッチブック」は普段使いにも活用できたため野帳好きからは愛され、無骨な表紙にかわいい意匠を施したりハトメでゴムバンドを装備したりする「ヤチョラー」を自称する野帳愛好家が生まれました。

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 以降、コクヨもそのヤチョラーをはじめとする「測量野帳を普段使いするユーザー」に歩調を合わせ、限定品を用意したり、表紙をより文房具として使用しやすいデザインにするなど、野帳バリエーションをいくつも発売しています。美術館や百貨店、また展示会や大学生協などで、オリジナルのデザインを施された測量野帳をご覧になったことがあるかもしれませんね。

 今回ご紹介する「野帳」は、2021年に新しく「ビジネスで使用するための野帳」として発売されたシリーズです。

 サイズは測量野帳と同じ、大きさは160ミリ×91ミリ、紙数は40枚。コンパクトで薄型ですので、スーツの内ポケットやズボンの尻ポケットなどにもすっぽり納まります。また表紙が厚紙でできており、立って持ったままの筆記がしやすい工夫が成されているのも同様です。罫線は「スケッチブック」、3ミリ方眼のみです。

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 ただ、本製品の3ミリ方眼は、従来の測量野帳のものとは異なります。従来品は比較的濃い水色の線で構成された方眼罫でしたが、今回の野帳は罫線が薄いグレーになりました。文字や図形、グラフやイラストなどを書く際にガイドとなる罫線ですが、従来の水色はかなり主張の強い色でした。この水色の罫線も、表紙のグリーンと並んで「野帳のアイコン」のひとつだったのですが、今回はより筆記の邪魔にならない淡い色になっています。

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 表紙は今流行のスタイリッシュカラー。サルファーイエロー、グレイッシュブルー、ウォームホワイト、チャコールブラックの4色をラインナップしています。

 価格は、従来の測量野帳が210円(税込232円)なのに対し、新しい野帳は240円(税込264円)。値上げ、というほどの幅ではありません。今までは表紙の色が変わっただけで400円や500円クラスになった製品が主でしたので、むしろこの程度の変更でいいのか、という気になってしまいます。

 この野帳、薄くて丈夫ですから、普段使いの手帳としてもとても優秀です。また用紙が40枚ということでノート同様に使い切ることも簡単で、厚い手帳を持ち歩くことに不便を感じていた方に最適です。この薄さ軽さですから、用途別に数冊持ち歩いても苦になりません。

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 わたしはよく、この野帳を横置きにして使っています。これは映画監督の樋口真嗣氏の使用方法に触発されたもので(氏は絵コンテとして測量野帳を愛用されています)、昨今のテレワークで机上が狭いとお困りの方にもお薦めしたい使い方です。

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 また3ミリ方眼は意外と便利なフォーマットでもあります。3ミリのマスに文字を書くことは困難ですが、2マス使えば一般的な横罫と同じ6ミリ幅で文字が書けますし、3マス使えば中字や太字の万年筆でもゆったりとした文字を書くことができます。

 何かを貼り込むのもいいですね。新しい野帳を一冊用意し、旅に出たらすべてのアナログ記録をこの1冊に集約すると、移動中にも邪魔になりませんし、途中で入手したチラシやレシートなどを貼り込むことで自分だけの「旅の1冊」が簡単に構築できます。その際、紙片を貼るガイドとして3ミリ方眼は重宝します。旅が難しい場合、わたしは見に行った映画の半券を貼って感想など書いたりもしています。

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 手帳では小さすぎる、ノートでは大きすぎる。あるいは厚くて重い手帳やノートは嫌、立ったままでもメモができて安価で丈夫で軽くて入手が容易なミニノートが欲しい! とお思いの方、この野帳は必ずあなたのお役に立つことでしょう。

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