“大豆ミート”ブームの波がついに本格化! 美味しく食べるコツを専門家が解説

文=A4studio
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GettyImagesより

 いま世界的に人気が高まっている代替肉“大豆ミート”。そのブームの波が日本にも押し寄せている。

 3月16日にイオンは自社ブランドのトップバリュから新商品『大豆からつくったミンチ』を発表した。国内で代替肉が冷蔵販売される事例は、これが初めてになるという。また、セブン & アイ・ホールディングスもほぼ同時期の3月17日より、首都圏5店舗でマルコメ『大豆のお肉』の乾燥ミンチを水戻しした商品の販売を開始している。

 大豆ミートといえば、これまでにもモスバーガーが「ソイパティ」を使用した商品を提供していたが、ここに来てスーパーマーケットやコンビニエンスストアの大手2社が商品展開を始めている。海外だけでなく、国内でも本格的に大豆ミートへの注目が集まりつつあるようだ。

 そこで、今回はコンビニエンスストアをはじめ業務用に大豆加工素材を提供している不二製油株式会社・経営企画部 企画課 広報担当の大貫圭子氏に取材。昨今の大豆ミート事情について話を伺った。

大貫圭子(おおぬき・けいこ)/不二製油株式会社 経営企画部 企画課 広報担当
不二製油株式会社は大阪府泉佐野市に本社を構える食品素材加工会社。半世紀以上にわたり、大豆の研究を続ける同社が手がけた大豆ミート商品は、ファミリーマートなどで販売されている。

環境問題、健康の観点からのメリットが多い

 不二製油株式会社は「粒状大豆たん白」を1969年に開発し、「フジニック」ブランドで販売をスタート。なんと50年以上前から大豆ミートの開発・製造をしている、日本における大豆ミートのパイオニア的企業だ。

 そこでまず、不二製油株式会社が大豆ミートの開発に着手した経緯を伺った。

「当時、大豆を絞ったあとの脱脂大豆は、絞り粕との認識で飼料用原料として処理されていました。ですが当時の弊社の開発部は、脱脂大豆中の成分には良質で豊富なたんぱく質が含まれていることに注目したんです。

 後発製油メーカーゆえに、大豆の油よりもむしろ、たんぱく質を多量に含んだ脱脂大豆原料からの製品開発を主体とすべきと考えたわけです。そして、いつか必ず植物性タンパクが必要とされ、 社会に役立つときがくると、大豆たんぱくの開発を始めたことがきっかけでした」(大貫氏)

 そんな大豆ミートは現在、世界中から熱い視線を集めている。その理由はズバリ、何なのだろうか。

「『SDGs』の流れから環境問題を意識して購入されている方もおられると思いますが、国内では植物性食品として、栄養価の高い健康的なイメージのおかげで需要が伸びているように感じます」(大貫氏)

 持続可能な開発目標「SDGs」。大豆ミートが広まり、動物由来のたんぱく質から植物性のたんぱく質が求められるようになると、畜産・養殖に使われていた水資源や穀物が保全されるうえ、家畜による温室効果ガスの排出量を削減できる。結果的に環境問題の対策につながるということだ。

 だが、国内消費者が大豆ミートを食べるようになるきっかけは、健康面でのプラスのイメージに後押しされて選んでいる場合が多そうだ。そこで、健康面での主なメリットについても伺った。

「大豆ミートのもととなる大豆たん白は、牛乳や卵のたんぱく質と同様、アミノ酸スコアでいうと最高点なんです。また、体内では作り出せない必須アミノ酸・9種類の要求量をすべて含んでいます。動物性の肉と比較して、油分が少なく低カロリーでコレステロールを含まない点も健康面ではポイントになりますね」(大貫氏)

 同重量換算で比較した場合、動物性の肉よりもカロリーや脂質も大豆ミートのほうが少なくなるという。では、逆にデメリットはあるのだろうか。

「あまり思いつきませんが、強いて言えば動物性の肉と比較すると、旨味やコクなどの美味しさの点ではまだ同じレベルに至っていない部分でしょうか。最近はかなり肉に近い食感のものもありますが、一枚肉のようなものは大豆ミートではまだ難しいと思います」(大貫氏)

 味のクオリティはまだ本物の肉に追いついていないというが、カロリー、脂質ともに肉より低く、たんぱく質や必須アミノ酸を摂取できる。さらには環境問題の対策にも繋がるとなれば、メリットづくしなのではないだろうか。

大豆ミートをより美味しく食べる調理法は?

 そもそも、大豆ミートはなぜ肉のような味わい・食感を再現できているのだろうか。

「弊社では、大豆たん白の素材の組み合わせで、さまざまなお肉の味と食感を再現しています。また、味わいの面で言うと、大豆ミートに合う調味料の開発も食品業界各社で進んでいることもポイントの一つではないでしょうか。

 原料の配合、生産機械の設備、組織加工時の運転条件など、様々な要素が関係していますが、加工装置の進化によりさらに肉的な組織を作れるようになり、ますます品質が向上してきています。」(大貫氏)

 食品業界全体で品質が向上しているというが、なかにはどうしても味が好みではないという人もいるだろう。大貫氏は「食感、味にはまだ改善の余地がある」としながらも、そんな方が大豆ミートをより美味しく食べられる調理の仕方を教えてくれた。

「大豆ミートが苦手という方は、やはり大豆由来の匂いや後味が気になるのでしょう。ですから大豆ミートを美味しく調理するには、大豆由来の嫌味を抜く前処理がポイントです。乾燥タイプの大豆ミートの場合は、調理する前に何度か湯切りをすると豆臭さが低減します。また、調理する際にあらかじめ湯通しをする、出汁液で漬け込む、あるいは油で炒めるといったことをすれば、より美味しく召し上がっていただけると思います」(大貫氏)

――自分の健康のための選択が、結果的に地球のためにもなる。大豆ミートをまだ体験したことのない方は、一度試食してみてほしい。

(文=A4studio)

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