コロナ、環境問題は暴走する資本主義への警告 政府は目先の「経済」よりも、国民の「命」を守る施策を

文=斎藤満
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 生命の起源は海にありと言いますが、その海が海洋汚染で悲鳴を上げています。そもそも、地球上の人口増加、世界経済の拡大に伴い、途上国の所得水準も高まって食料需要が高まっています。その中で海産物への需要も増え、一部魚介の乱獲で資源保護が求められています。また地球温暖化に伴う海水温度の上昇も、台風の巨大化のみならず、海の生態系を脅かしています。

 それだけでも漁獲高の減少で食生活を脅かされ、漁業を生業とする人々の生活を脅かしていますが、近年、プラスチック廃棄物による海洋汚染が深刻な問題になっています。鯨やイルカなどの死体を解剖した際に、胃からプラスチックごみを飲み込んだ形跡が数多く見られるうえ、マイクロ化したプラゴミをプランクトンと間違えて摂取する魚もおり、発育や病気への影響が懸念されています。

 これらプラゴミの取り組みも中途半端です。確かに一部のカフェではプラスチックのストローをやめ、紙などの素材に変えているところもあります。またスーパーや各店舗で、レジ袋を有料化して、需要を抑制しようとしていますが、これらは焼け石に水です。

 低コストで丈夫なプラスチック製品の需要は多く、ペットボトルやレジ袋以外にも数多くのプラスチック製品が使われています。

 問題は使用済みの製品をリサイクルするにも焼却処分するにも、その処理にコストがかかることです。これまではプラゴミを中国などに輸出して処分してもらっていましたが、途上国が経済発展した結果、さばききれなくなりました。そんな中で、不法な海洋投棄が増えています。

 目先の経済的利益のために、地球環境を悪化させ、ひいては海洋生物や人類の生命を脅かすという点では、原発に通じる面があります。脱原発と同じように、脱プラスチックの技術開発が求められます。すでに水に溶ける新素材も開発されていますが、経済的利益、資本の論理からすると、プラスチックに代替するまでには至りません。それだけに、プラゴミ処理コストまで製造責任に含めるかの議論も必要です。

資本の論理のしわ寄せが地域紛争にも

 グローバル資本が、コストの安い新興国、辺境地での生産を行い、そこで利益を上げる一方、現地では資源や住民の負担を高め、地域紛争につながる面もあります。

 たとえば、EV化でリチウムイオン電池の需要が高まっていますが、リチウムの生産地チリでは、大量の地下水をくみ上げ、水不足、砂漠化で生活環境が悪化しています。

 リチウムとともに使われるコバルトの生産はその6割がアフリカのコンゴ民主共和国でなされます。そこでは深刻な水質汚染が進み、農業が大きな被害を受け、貧困化が進んで地域の治安や社会生活を不安定にしています。

 グローバル資本による目先の経済利益の追求が、新興国での環境破壊、貧困を生み出し、生活が困窮するグループから過激派を生み出し、地域紛争を悪化させる面もあります。これも資本の利益優先のしわ寄せと言えます。

 目先の利益追求よりも、人類が安心して暮らせる地球を守ることに、資源と知恵を使うべき重大な転機に来ています。

(斎藤満)

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