2021年のゴールデンウィーク。「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出されていた地域も多く、外出自粛が呼びかけられる中、自宅でお子さんとどう過ごせばいいのか悩まれた親御さんも多いのではないでしょうか?
我が家ではいくつかのアナログゲームを楽しむことでこの期間を乗り切りました。その中の1つが「コクヨのえほん」から発売されている「キューブスゴロク」です。
「コクヨのえほん」とは、オフィス家具や「キャンパスノート」をはじめとした文房具で有名なコクヨが、今までにない新しい価値提供を目指して2007年にスタートしたものです。
「親子のコミュニケーション」「想像力育成」をテーマにしており、ただ読むだけの絵本にはとどまらない、幅広い商品を展開しています。仕掛けを楽しんだり、シールを貼ったり、色を塗ったりと手を動かしながら楽しめる「ワークブック」や、芯に複数の色が混ざった色鉛筆、透明なクレヨンなどちょっと変わった「画材」も発売されているのです。
その「コクヨのえほん」から発売されている商品の1つが「キューブスゴロク」です。名前の通りスゴロクなのですが、見た目は名前の通り「キューブ」です
キューブの中に遊ぶために必要なものがすべて詰まっています。 カード70枚(イベントが書かれているカード32枚、無地のカードが28枚、フリーカードが7枚、コマとして使用するカードが3枚)と説明書が入っていて、外箱がサイコロになっています。
実際に遊んでみて気が付いたのは次の4点です。
1.自分でコースを作り出す楽しさがある
2.マスがカードだからできる遊び方がある
3.自分でイベントを作ることができる
4.自分たちだけのルールを作り出すことができる
では、一つ一つ見ていきましょう。
1.自分でコースを作り出す楽しさがある。
スゴロクのマスはセットに入っている正方形のカード70枚を並べて自由に作ります。従来のスゴロクのように決められたコースはありません。自ら「ここは真っ直ぐに並べたい」「ここに分岐点を作ってみよう」「『一回休み』はここ、『スタートに戻る』はこの辺りに置いてみよう」と自分だけのオリジナルのコースを生み出すことができます。
2.マスがカードだからできる遊び方がある
これは5歳の娘が特に楽しんでいたことなのですが、コース内のイベントカードを裏返しに置き、そこに誰かのコマが止まったら表向きにする。一種のサブライズ演出で楽しみました。何が出るかわからないドキドキ感を味わうことができました。
3.自分でイベントを作ることができる
我が家ではまだここまでの楽しみ方はしていないのですが、7枚入っているフリーカードに自分で考えたイベントを描いて楽しむことが可能です。「サイコロを振る順番が逆になる」「ゴールまでひとっ飛び」「ダジャレを1つ言う」など自ら考えて自分だけのスゴロクを作ることができます。
4.自分たちだけのルールを作り出すことができる
スゴロクで遊ぶときにはある程度のルールが必要です。
「サイコロはお父さん→わたし(娘)→お母さんの順番に振ろう」「【○マス進む】【×マス戻る】で進んだ先にイベントがまたあった場合はそれを行う/行わない」「サイコロの目がぴったり合った時だけゴールできる。数が余ったときにはスタートに戻る」など、その時その時でルールをみんなで相談しながら決めて遊ぶことができます。
同じコースでも「今回はこういうルールで」とすると何度も楽しめるだけではなく、話し合いによって何かを決めるという経験も積めます。
これだけ自由度が高いスゴロクなので、「どう並べたらいいのかわからない」と悩むお子さんもいらっしゃると思います。
以前、私は小学生向けの工作ワークショップを開いていました。「自由に自分の好きなものを作ってもらいたい」と気持ちを込めて「好きにデコレーションしていいよ!」と指示を出すと、数名の子供たちが「どうしたらいいのかわからない……」となってしまったのです。
自由度の高さに慣れていないお子さんがいることは事実ですので、困っている素振りを見せたときには大人がフォローすることも大切です。
例えばコースレイアウトを作るときには「ジグザグに並べてみよう」「真っ直ぐ長いコースを作ってみよう」といった提案したり、「ゴール近くに『スタートに戻る』があったらドキドキするよね」「始めたばかりのところに『1回休み』があったらがっかりした気分になるかな?」などと一緒に考えたりしながら作ってみましょう。これも親子のコミュニケーションの一つになります。
このキューブスゴロクはNHK Eテレで放送中の工作番組『ノージーのひらめき工房』でアートディレクションを担当しているユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」が作・絵を担当しています。目立つ色使い・印象的なイラストはとても楽しいのですが、感受性の強い娘はいくつかのカード(下の写真)をとても怖がりました。
実は、キューブスゴロク自体は2021年年始に購入し一度娘と一緒に遊んでみたのですが、「これとこのカードが怖いからやりたくない」と言われた経緯があります。そのため、ゴールデンウィークに遊んだときにはあらかじめ怖いと感じるカードを教えてもらい、そのカードは箱に入れたまま、怖くないカードだけで遊びました。これもカードでコースを組み立てる式のスゴロクだからこそできることではないでしょうか?
最後には娘オリジナルのイベントマスだけで構成されたスゴロクもつくりました! 進んで戻って物真似をして……と、なかなかゴールできませんでした。
大人も子どもも一緒になって盛り上がれる無限の可能性を秘めたキューブスゴロクを一度試してみませんか?