ドラマ『カラフラブル』で描かれた、ジェンダーや多様性と向き合う登場人物たち

文=雪代すみれ
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“女性活躍”における課題や、働き方の見直しも

  和子の編集部の編集長・鉄本あさひを通じては、女性が直面する偏見や課題についてが表現されていた。

 特に印象的だったのは第9話。あさひに対して関連子会社の代表取締役への人事異動の通達があるのだが、「なぜ自分なのか」と問うと、人事担当者は彼女の実績を認めつつも(実際に数字としても結果を残している)、「今の時代に重要ポストを任された女性がいないのは、社外的に良くないのではという意見があった」と、女性が会社のパフォーマンスに使われる様子を描いた。

 さらに、異動先は売上的には“お荷物状態”で、「改革をお願いしたい」と言われ、危機的な状況で女性がリーダー的ポジションを任されやすい、まさに「ガラスの崖」。おまけに人事担当者は<女性としての目線、期待しているよ>と言い残した上に、異動先には女性社員すらいないという「女性一人に女性を代表させてしまう」という問題まで描かれた。現実社会に存在する課題を明確に描写しており、作り手の問題意識が感じられたシーンであった。

 本作は「多様性」がメインテーマのドラマであるため、従来の「男らしさ」「女らしさ」が否定されているのでは? と想像する人もいるかもしれないが、そうではない。

 周とユニットを組んだささめは、事務所の意向でかわいらしい格好をさせられているけれども、本当はいわゆる“男っぽい”男性に憧れている。そんなささめに周は<ささめくんは、ささめくんのかっこよさを目指せばいいよ>と声をかけるシーンもあり、『カラフラブル』が従来の「男らしい」「女らしい」好みを否定するものではなく、「自分らしく生きること」を大切にしている作品だということが伝わってくる。

 他にも“おじさん”と“イマドキの若者”の世代間ギャップや、シングルファーザーの悩み、働き方など、この作品に込められたメッセージは多岐にわたる。

 筆者は三周したが、毎回新たに発見する気づきやメッセージがある。人それぞれ、自分の環境や置かれている立場によって心に響くポイントが異なり、自分なりに受け取って解釈・吸収して楽しむことができるだろう。

 『カラフラブル』は「Hulu」で全話配信されているほか、11月5日にはDVD-BOXの発売が予定されている。

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