「PG-METAL350」なら、製図用シャープペンの本格的な書き味を安価で楽しめる

文=他故壁氏

暮らし・美容 2021.06.14 10:00

 シャープペンシルは学業の友、ですよね。

 学生の頃、とにかく「書く」と言えば、手にしたものはシャープペンシルでした。長時間使うものですから、購入の際にはチェックポイント、ありましたよね。

 価格、デザイン、カラーリング、芯の細さ、握りやすさ、ノックのしやすさ、芯補充のしやすさ、丈夫さ、そして何よりその書き心地……。

 中でも価格と書き心地のバランスは、お財布事情もあって、みなさま悩まれたのではないでしょうか。

 それは現役の学生さんでもそうでしょうし、社会人でも資格試験などで勉強に励まれる方も、きっと同じ思いですよね。

 シャープペンシルは、安いものなら100円から、高いものは万を超えるものまで、バリエーションが豊富な筆記具です。高い製品にはそれなりの理由があるのですが、日常、使い潰す覚悟で勉学に励む方であればあるほど、「安くて丈夫で使い勝手のいい」ものを欲されているのではないかと思います。

 今回ご紹介するぺんてるの「PG-METAL350」は、ヘビーな使い方にも対応できるお手頃価格のシャープペンシルです。価格は税込385円です。

 海外ではGRAPHGEAR300の名で供給されているものと同一で、金属グリップと樹脂ボディで構成された製図用シャープペンシルです。

 ぺんてるは同価格帯に「シュタインシャープペンシル」という、製図用を謳っていない税込330円の製品を持っています。シュタインシャープもメタルグリップを装備しているのですが、製図用ではないのでメタル350とは印象がかなり異なります。

 ここで言う「製図用シャープペンシル」とは、かつて手書きで図面を引く際に必須だった、製図のプロが使うシャープペンシル──先端を見渡しやすい4mmパイプとペン先周りの視界を良好にするステップヘッドフォルムを搭載し、精密筆記をアシストするシャープペンシルを指します。

 ただ残念なことに、本製品には製図用シャープペンシルのシンボルのひとつである「芯硬度表示窓」がありません。日常使用では不要な装備ではあるのですが、あれってかっこいいんですよね。あったらあったで。

 メタル350のグリップは金属製で、ステップヘッドフォルムを持った口金との一体感がたいへん美しいです。本製品は特に、口金が重たいものになっています。

 口金の重さはメタル350が実測4g、シュタインシャープは2g。たった2gと思われるかもしれませんが、実際に握ってみると数字以上の差を感じます。

 したがって、重心位置もメタル350はかなり前の方に位置します。持った際に無駄な筆圧をかけずとも、ペンの自重だけでしっかりとした筆記ができます。

 グリップ表面には凸凹があって、凸面は金属が内側から押し出し加工されたゆるやかな突起、凹面はパンチされて穴が空いた状態です。滑り止め、と呼ぶほど強烈な効果は感じられないのですが、指を這わせた際に適度なフィット感を憶えるので、わたしは大好きです。

 内部構造はシュタインシャープと同じですが、金属チャックできっちりと銜えられた芯は高い筆圧をかけても引っ込んだりしません。そこにヘヴィな口金と大型のメタルグリップが装備されて385円は破格です。

 製図用シャープペンシルだとクリップが外せるものもあるのですが、メタル350は金属クリップを容易に外すことはできません。ノックノブを外すとぺんてるの製図用シャープペンシル共用の消しゴムが入っています。クリーナーピンの装備はありません。

 芯径は4種類用意されています。0.3mm、0.5mm、0.7mm、0.9mmです。

 ボディカラーは芯径によって異なります。

 0.3mmはブラック、ディープブルー、グリーン、クリアピンク、クリアブルー、クリアホワイト。

 0.5mmはブラック、ディープブルー、ブライトブルー、クリアレッド、クリアピンク、クリアホワイト。

 0.7mmと0.9mmはともにブラックのみです。

 海外販売されているGRAPHGEAR300には0.3mmにクリアオレンジ軸があるのですが、国内では未発売。0.7mmや0.9mmにもカラーバリエーションがありますので、今後のカラー展開にも期待したいところです。

 昨今のシャープペンシルは高機能化に伴い価格が上がってきており、現在の主戦場は500円クラスより上。300円クラスは各メーカーとも意外と層が薄く、ここに高機能な製図用シャープペンシルをラインアップすることで、お小遣いの少ない中学生男子をまず捕まえに行こうとしているぺんてるの姿勢が見て取れます。

 ただ実際のところ、メタル350はそこまで男子学生寄りではなく、ヘビーっぽさはありますが社会人にも似合うソリッドさとまじめさを併せ持っています。自宅や職場、カフェなどで使用しても問題ないデザインだと思います。

 価格、性能、デザインと、バランスの取れた本製品。やはりシャープペンシルのヘビーユーザーにまずお試しいただきたいですね。たくさん勉強される貴方に似合うこと間違なしです。

他故壁氏

2021.6.14 10:00

文房具ユーザーとして数多くの文房具に触れ、その便利さを世に伝えたいと切望している。 筆記具と紙、その周辺の文房具を中心としたパーソナル文具全般に興味がある。 文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバー。 

@takokabeuji

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