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■小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A
Q. 子どもの日焼け対策はどうしたらいい?
A. UVカット素材の服や帽子、日焼け止めなどを使いましょう
昔は日焼けをすると健康的だと言われていましたが、今では皮膚が炎症を起こしてヒリヒリするだけでなく、シミやシワなどの光老化、皮膚がんなどの原因になることがよく知られています。ですから、特に紫外線量が増える春先から夏の終わりまでは、なるべく対策を。
まず、UVカット素材の服や帽子を使うといいと思います。光を反射してくれる薄めの色ならより効果的です。さらに薄手の長袖長ズボンなら、日焼けだけでなく、虫刺されやケガもある程度は防げます。海や川、じゃぶじゃぶ池などで遊ぶときは、ラッシュガードを着せましょう。同じく虫さされ、ケガを防ぐためにも長袖長ズボンがおすすめです。そして、どうしても日光が直接当たってしまう顔や手足などの部分にだけ日焼け止めを塗ると、親子ともに手間がかからずラクだと思います。ただ、長袖長ズボンを嫌がって着てくれないこともありますね。その場合は全体的に日焼け止めを塗るしかありません。
日焼け止めには、紫外線を集める「紫外線吸収剤」を使ったもの、紫外線を散らす「紫外線散乱剤」を使ったものがあります。メトキシケイヒ酸オクチル、ジメチルPABAオクチルといった紫外線吸収剤を配合した日焼け止めは白くなりにくくて使いやすいのですが、人によってはかぶれてしまうことも。皮膚が赤くなったり、かゆくなったりした場合は、紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを選んでください。「ノンケミカル」と表示されていることが多いと思います。でも、特に「オーガニック」「無添加」だったり、「天然素材」である必要はありません。これらが皮膚にいいとは限らないからです。また、たいていの日焼け止めは小さな子どもにも使えますから、子ども用を別に用意しないといけないわけでもありません。多くは親子で共有できると思いますから、表示を確認してみてくださいね。ベタベタせず、塗り伸ばしやすいジェルタイプなら、敏感な子どもでも嫌がりにくいかもしれません。
日焼け止めの強さですが、普段用ならSPF15~20、PA++、海や山、紫外線の強いところに行くときはSPF20~40、PA++~+++を目安にしましょう。いずれにしても、汗をかいたり、服や布でこすれたりすると落ちてしまうので、2〜3時間おきに塗り直しましょう。海やプールに入るときにはウォータープルーフタイプがいいと思います。
このように対策が必要な紫外線ですが、じつは全く浴びないのもよくありません。紫外線を浴びると、体内で骨を作るのに必要なビタミンDが作られるからです。ただ、真夏の昼間の東京なら3分くらい顔と両腕を合わせたくらいの面積(体表面積の約25%)に紫外線を浴びればOK。意外と短時間ですね。日焼け止めを塗っていても、ある程度の紫外線は浴びるので問題なさそうです。
<今回のポイント>
○UVカット素材の服や帽子を使う
○薄めの色の服で紫外線をはね返す
○薄手の長袖長ズボンを選ぶ
○日焼け止めを使ってこまめに塗りなおす
○かぶれるなら紫外線吸収剤不使用を

森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)