さまざまなボールペン芯が使える新感覚の文具、ANTOU「ボールペンC」

文=出雲義和
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 今、台湾の文房具が人気を集めているなかで、新しくANTOU(アントウ)というブランドが日本にやってきました。

 台湾の文房具といえば、万年筆のTWSBI(ツイスビー)が代表的ブランドのひとつで、日本に上陸してからわずか数年で大手百貨店をはじめ、街のちょっとした文房具店にも並ぶようになりました。

 TWSBIに続くようにIWIやY studioなどのメーカーも続々と登場して、日本に新しい風を吹きこみはじめています。

 今回の、ANTOU(アントウ)も、今もっとも注目を集めている台湾の文房具ブランドです。

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台湾発のスタイリッシュな文房具ブランド

 ANTOU(アントウ)は、台湾の中西部に位置する彰化(ジャンホワ)で筆記具や机上文具を手掛けるブランドです。

 その代表を務めているのが、ロンドンロイヤルカレッジオブアーツを卒業し、ヨーロッパを中心に活躍しているアートディレクターYen Chen(イエン・チェン)さん。

 彼は、無駄な装飾をそぎ落とすことで、素材の良さを活かしたスタイリッシュで斬新なデザインのプロダクトを生み出しています。

ボールペンCの特徴

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さまざまなボールペン芯が使えるボールペンC

 「ボールペンC」の大きな特徴は、国内外の様々なブランドのボールペン芯(替え芯)を使うことができるちょっとユニークな筆記具です。

 ボールペン芯は、それぞれのメーカーによる独自の規格(一部を除く)で作られているために長さや口径などが異なり、同じメーカー同士でもモデルが違うと互換性がないというケースもあります。

 そんな規格が異なるボールペン芯に対応できる筆記具として完成したのが「ボールペンC」です。

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ボールペン芯の先端をしっかりホールドするシステム

 数多くあるボールペン芯も、基本的な形状が大きく異なることはありません、そこで「ボールペンC」は、ペン先部分を工具のように締め付けて固定する方法で、規格の異なるボールペン芯の使用を可能にしました。

 まず、マグネット式のキャップをつけた状態で左に回転させると、口金(3つツメのある先端部)が緩み取り外すことができます。この口金にボールペン芯を差し込み、今度は右回りにキャップを回転させると口金部分のツメがしっかりと挟み込み、芯先が固定されて安定した筆記が可能になります。

 仕組みは至ってシンプル。これでホントに筆記ができるの? 書いている途中でボールペン芯が抜けたりしない? と不安になるかもしれませんが、普段の筆圧であれば、まず抜ける心配はありません。

サイズが異なる2つのボールペンC

 日本で先行発売されたのは「ボールペンC」レギュラーサイズでした。

 発売と同時に文房具の専門誌でも紹介されて、これが口コミやネットで話題となり、2020年には軸を少し短くした「ボールペンCミニ」をクラウドファンディングで発表、最終達成率4822%という驚異的な数字で、文房具ファンの間で一目置かれる存在になりました。

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ボールペンCスタンダード

 ふたつの「ボールペンC」を比べると、レギュラーサイズは全長約145mmとオーソドックスなボールペンと同じ長さで、対応するボールペン芯がもっとも多いモデルがこちらです。

 「ボールペンCミニ」はレギュラーサイズよりも15mm全長が短く、手の小さい人にもしっくりくる大きさといえます。使用できるボールペン芯はレギュラーサイズより少なくなりますが、ハサミでカットするなどカスタマイズを楽しむ筆記具として「ボールペンCミニ」を愛用するユーザーも少なくないようです。

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ボールペンCで使える代表的なボールペン芯

●ANTOUボールペンCレギュラーサイズ 対応ボールペン芯
・ゼブラ RNJK(サラサ)/NC-0.5・0.7/JF0.5(ブレン)
・パイロット BRFN/LHKFR(ハイテックCコレト)/    LFBTRF(フリクションボール)/LP3RF(ジュースアップ専用)
・三菱鉛筆  SXRタイプ(ジェットストリーム)
・MUJI さらさら描けるゲルインク
・パーカー ボールペン芯G2タイプ
・4C タイプ
・C-300 タイプ(一部を除く)

●ANTOUボールペンCミニ 対応ボールペン芯
・カランダッシュ ゴリアット芯/フロスティ芯
・ラミー LM21・フィッシャー PRタイプ
・オート No705NP/R-4C5NP
・セーラー 18-0104、18-03(DARKS他)
・ゼブラ シャーボX用リフィル/JF(サラサ)/RJK(サラサ多色モデル)/JLV(サラサドライ)
・パイロット BRFS-10
・トンボ BR-SF(エアプレス・リポーター用)
・パーカー ボールペン芯G2タイプ
・4Cタイプ

 日本での発売にあたり、新しくパーカーのG-2タイプが使えるように改良が加わり、対応ボールペン芯の幅が大きく広がりました。

 もちろん、このほかにも使用可能なボールペン芯があるはずです、それらを探すも「ボールペンC」の楽しみ方のひとつといえます。

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日本限定カラーも発売

 「ボールペンCミニ」をクラウドファンディングで募った際、新しく日本限定カラーも発売になりました、既存のブラックも大人を満足させる色ですが、日本をイメージした「青藍(せいらん)」「唐紅(からくれない)」「橙(だいだい)」の3色はカジュアルに筆記具を使いこなすオシャレなユーザーの心をくすぐるモデルです。

 子どもの頃、シャープペンシルの替え芯はどこのメーカーでも使えるのに、ボールペンはどうして全部違うの? と疑問に思ってしました。大人になってから、各メーカーとも自社のボールペンに特別な特徴を盛り込み差別化を図っていることを知りましたが、やっぱり面倒くさいと感じる気持ちはなくなりません。

 お気に入りのボールペン芯をかっこいいペン軸で使いたいユーザーや、さまざまなボールペン芯を使ってみたいという好奇心に溢れたユーザーに、ANTOU「ボールペンC」は実用性とスタイリッシュなデザインを兼ね備え、大人の好奇心まで満たしてくれる新しいコンセプトの筆記具です。

ANTOU
製品名 ボールペンC
カラー:ブラック/シルバー/ガンメタル
収納時145mm 同軸径約12mm 重量約38g

ボールペンCミニ
カラー:ブラック/シルバー/ガンメタル
限定カラー:青藍/唐紅/橙
収納時130mm 同軸径約12mm 重量約32g

レギュラーサイズ・ミニサイズ共
価格:9900円(消費税込み)

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