昆虫食愛好家、育児の中で「味」だけではない虫の魅力を再発見

文=ムシモアゼルギリコ
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GettyImagesより

■ムシモアゼルギリコの虫食う母×子どもの虫ばなし

母が虫を食っていることに気づいた子ども

 ある日、私のクローゼットの中にある虫柄の服を見て、娘が言った。

「これ(虫を)食べに行くとき着てく服?」

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控えめに言ってもどうかしている、クローゼットの一角

 へえ~。4歳(当時)にもなると、親の「外の顔」を理解してくるのかな。そう思ったのは「虫を食べること」が、私の外の顔だからです。私はフリーライターとして昆虫食の本を書いていることから、イベントやTVなどのメディアに出演させてもらうことがあり、虫柄の服はそういった時のための勝負服。そんな姿を動画や写真で目にしたり、そもそも虫を食べる集まりに連れて行ったりしていたもので、「おかーさんは外で虫を食べている」とインプットされたようです(家で全く食べないわけではないけれど、日常的に食べるほどは手に入らないのが現状なもので)。

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娘0歳時、高田馬場にある「米とサーカス」で昆虫食メニューの試食にご招待いただいた。母がボリボリかじるサソリを欲しがったが、「5年早いわ!」と没収。今思えば、なめさせてあげるくらいしてもよかったかも。

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最近食べた虫の中で最高だったのは、外来種であるフェモラータオオモモブトハムシ(の幼虫)

 私がこれまで食べてきた虫は、次のようなものたちです。

 イナゴやカイコ、ハチノコにカミキリムシといった伝統的な食用昆虫から、セミやサクラケムシなど比較的“新顔”的なもの(※1)。タガメやツムギアリ、サクサンなど、輸入食材店で販売されている海外の食用昆虫たち。ペットショップで小動物の餌として流通しているミールワームやゴキブリ、コオロギなど(※2)。たま~にですがスペシャル珍味として、タケオオツクツクやフェモラータオオモモブトハムシなどの、日本に入りこんできてしまっている外来種をとって食べることもあります。日本で手に入るそれらの昆虫を、スローペースながら13年近く食べ続けているのです。

※1 日本における昆虫食の中では、という意。
※2 最近はヒトの食用に養殖されているものも出回るようになっている。

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