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紫外線の強い夏は、シミのケアが気になる時期。シミのお手入れといえば、ビタミンCのイメージ。レモンやキウイ、アセロラなど、ビタミンC含有量の多い果物を摂取したり、ビタミンC入りのスキンケアを使うなど、意識している人は多いことでしょう。
その一方で、ビタミンCはとても壊れやすい性質のため、その美容効果を効率的に得るには工夫が必要です。
食事やスキンケアなどの日常シーンにおける、ビタミンCケアの疑問や賢い使い方について解説します。
ビタミンCはオールエイジの肌をケア
ビタミンCは紫外線から肌を守る働きがあり、メラニン色素の生成を抑え、日焼けによる肌の炎症やシミを抑える効果があるといわれています。また、色素沈着の改善も期待されることから、多くのシミ対策用スキンケアに配合されています。
ほかにも、こんな効果があります。
・優れた抗酸化力による、活性酸素が引き起こすシワやハリ、たるみを予防
・コラーゲンの生成を助け、肌の内側から弾力のあるなめらかな肌をつくる
・ニキビやニキビ跡のケア、毛穴の引き締め
・ターンオーバーを正常にし、くすみのない明るい肌へ導く
ビタミンCは、幅広い層の肌トラブルを助けるのが魅力。オールエイジの肌を、キメのある肌に導く美容効果の高いビタミンとして、長年親しまれています。
かくゆう私も、10代ではニキビとオイリー肌の改善に、ママとなった今は身体と肌のアンチエイジングに、ビタミンCによるケアを長年行っています。
レモンを肌に乗せるが危険な理由
美容に良いビタミンCですが、やみくもに取り入れては期待どおりの効果は得られません。ビタミンCは水溶性のため、野菜や果物から摂取しても体内に長時間留まることはできません。約2~3時間で尿として排出されるといわれています。
例えば、ビタミンⅭが豊富な食品として広く知れているレモン。ビタミンⅭの効果に期待するならば、一日に3回程度こまめに摂取する必要があるのです。また、肌に“レモンスライス”を直接のせるのは危険です。レモンに含まれる「ソラリン」が肌に残った状態で紫外線を浴びると、色素沈着を起こすおそれがあるからです。
ビタミンCの美肌力を効率的に得たいなら、やはりスキンケアによるお手入れが賢明でしよう。
ビタミンCは肌に届いているのか?
ビタミンCは熱や光、空気を浴びるだけで酸化してしまうほど、とても不安定です。そのため、「スキンケアでちゃんと肌に届くの?」と疑問を感じる人がいます。
化粧品に使われるビタミンCには「ビタミンC誘導体」と「ピュアビタミンC」の2種類があり、現在、多くの化粧品に使用されているのは「ビタミンC誘導体」です。
ビタミンC誘導体とは、皮膚に浸透しにくく酸化しやすいピュアなビタミンCを化学修飾することで、化粧品として使いやすくしたもの。肌の中に誘導体が入って行き、角質層まで浸透してからピュアビタミンになるため安定して持続力があり、肌の奥深くからしっかりケアしてくれます。
現在、市場に出回る多くがビタミンC誘導体タイプのスキンケア。プチプラからドクターズ系まで幅広く販売されているため、肌質と価格帯を吟味しながら選びましょう。選択肢も広いので、ビタミンCケアのファーストステップとしてチョイスしやすいです。
一方、合成物を加えていないピュアビタミンCは、ビタミン有量100%が特徴です。本来、肌に直接つけても浸透しにくいビタミンCを高濃度・高浸透で安定した状態でダイレクトに届けられるように改良されたのが「ピュアビタミンC」です。
主流のビタミンC誘導体に比べ技術も複雑でコストもかかることから、商品数は多くありません。ピュアビタミンCは濃度が高く、「ビタミンC誘導体よりも早く効果を実感できる」といわれる一方で、刺激を感じるケースもあるようです。敏感肌の人は注意が必要ですね。
失敗しないスキンケア選びとは?
ビタミンC配合のスキンケアは、化粧水や美容液で数多みかけます。ピュアビタミンCは肌への効果が高い一方、使い方次第では乾燥が気になることもあります。乾燥肌やゆらぎ肌には、ヒアルロン酸やグリセリンなどの保湿剤が一緒に配合されたビタミンC誘導体タイプを使用するとよいでしょう。ピュアタイプに興味がある人も、まずは誘導体タイプから始め、徐々に慣らしていくのが賢明です。
夏の紫外線ケアに限らず、年齢に合わせたお手入れに活躍するビタミンC。食事でも上手にとりながら、フレッシュな肌を目指したいものです。