入管法改正案の廃案でわかったこと…市民が声をあげることには意味がある!

文=織田朝日
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 新型コロナウイルスの感染が深刻化して以降、解放される人が増え始めた。2021年の4月ごろからはさらに仮放免される人が増えている。

 被収容者の数が少なくなったことで、職員の業務量も少なくなり、施設内の雰囲気が良くなってきたという証言もある。

 ただ、「コロナが終息したらまた収容されてしまうのだろうか?」「オリンピックさえ終わればもう収容はなくなるのだろうか?」など、先のわからない状況に、誰もが不安を払拭することができない。

 また、解放されても仕事ができず、保険証や住民票がないという過酷な生活から逃れられない状況は変わっていない。

 収容者支援のボランティア団体・収容者友人有志一同(SYI)の鈴木堅登さんに話を聞いてみた。彼は、東京、牛久、横浜入管での面会活動だけでなく、仮放免者の病院の付き添い、お金のない人の代わりにカンパで医療費を支払っている。また、住むところのない人のために住居を探す手伝いなどもしている。

 廃案になったからといって何も変わらないです。せめて収容の上限を設けるとか、ビザを増やすなどしてほしいです。

 入管法改正によってこれ以上悪くなることがなくなっただけで、日本の中で人権侵害が公然と行われている状況はなにも変わっていないのだ。主に横浜入管で面会ボランティアをしている女性もこのように語っている。

 人を人として扱ってほしい。面会だけでなく、友人のビザの更新ですら職員の態度が酷いと感じることがある。まるで子供を叱るかのように上から目線な態度に腹が立ち、日本人である自分が近づくと急に態度が変わります。
 廃案は当たり前だし、素直に喜べない。長期収容により病気になるようならそれはおかしいことだと思います。日本に来たことを後悔してもらいたくないです。もっと良い法案をつくっていけたらいいと思います。

 廃案となって、これで終わりというわけではない。悪い状況はそのままで、もっと悪くならなかっただけの話である。これからどうしていくのかが本当の課題となり、気持ちを緩めるわけにはいかない。

 今回、廃案に追い込んだ人すべての成果であり、人々が声を上げれば必ず変えることが証明された。本当の意味で人権を守られる法案を目指すことが今後の課題と言えるだろう。

(織田朝日)

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