毎日のように届く郵便物、ダイレクトメール、そして宅配便。それらには必ず住所宛名が印字されているわけですが、みなさまこういった印字された住所ってどうされていますか。そのまま捨てるのってちょっと勇気がいりますよね。
世の中にはさまざまなタイプの「宛名を見えなくする製品」があります。スタンプ型、真っ黒な糊型、修正テープ型……どれも便利ですが、一長一短もあります。
今回ご紹介するトーキンコーポレーションの「アテナックス」は、実にシンプルな構造の個人情報保護製品です。
外観はよくある、粘着テープと同様の紙菅にテープが巻いてある状態です。幅は実測21mm、テープは1巻で5mあって、内径は実測75から76mm。一般的なセロハンテープの大巻(3inch)とほぼ同じ大きさですので、市販の大巻用テープカッターに装着が可能です。
テープは紙でできているので、手で簡単にちぎることができます。表面にはトーキンオリジナルのアルファベットパターン文字迷彩が施され、6cmごとに白線が入っています。この白線を目安に千切っていくと、1本のテープで約83回の使用が可能です。
2021年7月現在、makuakeにてクラウドファンディングが成功したカッターつきのアテナックスには、足を紙巻に折りたたんで装着する、昔懐かしい簡易型のテープカッターが附属しています。カッターつきの価格は1個330円(税込)です。
アルファベットパターンは迷彩効果が高く、確かに下にある住所は読めなくなります。スタンプの製品にも文字迷彩を施したものはたくさんありますが、スタンプインクの乾きが遅く、手に着いてしまうこともしばしばありました。アテナックスはテープですから、そういった作業上の慎重さは不要になります。
スタンプ式が苦手とする、凹凸のあるクッション封筒の宛名に直接貼ることもできます。これはテープ式ならではですね。
またテープが紙であることにも重要な意味があります。トーキンコーポレーションは、他社情報保護製品の弱点として「ラベルを裏から見ると透ける問題」を挙げています。なるほど、表面からはスタンプで文字は見えないかもしれませんが、ラベルをダンボール本体から剥がして透かしてみると、住所が見えてしまうことがあります。
アテナックスはテープの表面だけでなく、テープの粘着面にも文字迷彩をぎっしり印字して透け対策を行っています。紙テープの厚さと文字迷彩のダブル効果で、確かにスタンプ製品よりは見えにくくなっています。
でも、このテープを剥がしてしまえば、印字面は見えてしまうのでは?
そんな疑問も、紙テープを使用したことによってアテナックスは解消しています。アテナックスのテープは貼った直後は一般的なテープと変わりありませんが、時間が経つとより強力に貼りつくようになっています。そして強く貼りついたテープを剥がそうとすると、紙テープがぼろぼろと自壊してしまうのです。このテープを綺麗に剥がすのは至難の業でしょう。印字面には自壊したテープの糊面が残りますから、これをすべて除去して住所を読むのは手間と技術が必要になります。
封筒や荷札を読めなくする──こういった作業は、特に自宅であるならば、手軽であることが一番だと思います。すぐできて、失敗が少ないこと。スタンプ式やのり式はキャップを取る手間と、取ったあとは手が汚れる心配をつねにしないといけません。それによって製品を手にすること自体を忌避してしまっては、本末転倒ですよね。
余談ではありますが、わたしは本製品をよく見失います。テープの状態で決まった箱に入れておくのですが、正しく置いてあっても、目が素通りしてしまうことがあります。それほどに迷彩効果が高い製品ですので、わたし個人としてはテープカッターに装着して置き場所を決めておくことを推奨します。
アテナックスはたいへん手軽で簡単に個人情報を保護できる優れた製品です。毎日の郵送物後処理に手軽さを求めている方に、いちどお使いいただきたいですね。
(他故壁氏)
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