宋美玄先生に聞く「妊娠中の新型コロナウイルスの予防は、どうしたらいい?」

文=宋美玄
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GettyImagesより

産婦人科医・宋美玄先生の妊娠・出産Q&A

Q.妊娠中の新型コロナウイルスの予防は、どうしたらいい?

A.基本の予防対策を徹底しましょう。家族も一緒に行うことが大切です

 妊娠中も、通常の場合と同じように、こまめに丁寧に石鹸で手を洗うこと(アルコールなどで消毒すること)、不織布のマスクをつけること、三密を避けることが大切です。大人でも意外と手洗いがきちんとできていなかったり、飛沫のかかる会食をしたり、効果のない薬品で消毒したりしていることもあるので、改めて下の厚生労働省のサイトなどで確認してみてください。小児科医の森戸やすみ先生が書かれた対策は、大人がおさらいするのにも役立つと思います。

厚生労働省 国民の皆さまへ (新型コロナウイルス感染症)

 いずれにしても、妊娠中に混雑しているところへ行くのはおすすめできません。なぜなら他の感染症がうつったり、気分が悪くなったりすることもあるからです。ましてや新型コロナウイルスが流行している今は、より気をつける必要があります。先週お伝えしたように、妊娠中に新型コロナウイルス感染症にかかると、通常以上にリスクが高いからです。

 また、もともと妊娠中は「母性健康管理指導事項連絡カード」によって働き方の調整を会社に申し出ることが可能でした。さらに現在、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に関する以下のような措置を出しています(暫定的に令和4年1月31日まで)。

「妊娠中の女性労働者が、保健指導・健康診査を受けた結果、その作業等における新型コロナウイルス感染症への感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合、事業主は、この指導に基づいて必要な措置を講じなければなりません」

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置について

 つまり、通勤中また会社などで多数の人に会うことによって感染の不安を感じる場合は、かかりつけの産婦人科医に母子手帳にある母性健康管理指導事項連絡カードに記入してもらうことで、リモートワーク、休職などができるようにするなど、会社に働き方を調整してもらうこともできます。ちなみに妊娠中の女性労働者(雇用形態を問わない)に有給の休暇(年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対しては助成金が出るようです。

 新型コロナウイルスは家族から感染することが多いので、妊婦さんの同居の家族全員もしっかり予防することが大切です。例えば、家族の誰かが複数人でカラオケに行ったり、飲み会に行ったりなどしていると、当然ながら感染のリスクが高くなります。家族に新型コロナウイルス感染者が出た場合は、とにかく接触しない・食器やタオルの共有をしないよう気をつけ、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。場合によっては保健所に相談のうえ、隔離することも考えられます。

 そして、もちろんのことですが、そうならないように新型コロナ(mRNA)ワクチンを、妊婦さんを含む家族全員が接種することも大切です。ワクチンに関しては、次週で解説します。

<今回のポイント>

○手洗い(消毒)、マスク、三密回避が必須
○「母性健康管理指導事項連絡カード」で 働き方を変えられる可能性あり
○同居の家族も一緒に感染予防を
○新型コロナワクチン接種も大切

※この記事は2021年8月1日現在の最新情報をもとに作成しています。

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