困りがちな冊子のホッチキス留めに大活躍するマックス「バイモ11ロング」

文=他故壁氏
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 中とじの冊子を編む際、もっとも困難な事って何でしょうか。もちろん原稿の執筆や編集、あるいは紙や印刷の手配などもありますが、実は最も難しいのは「ホッチキス留め」だと思っています。このホッチキスの選択が、実に難しいのです。

 中とじというのは、例えばA5判の冊子を作成したい場合はA4用紙を重ね、中央に2箇所ほどホッチキスを打って、そこを折り曲げてA5の冊子にするものを言います。けっこう原稿が集まりましたので、ページ数は100ページになりました。A4用紙に裏表で4ページ印刷できますから、これを中とじで冊子にしたいと考えたとき、1冊あたりの用紙は25枚になります。

 ところが、これを綴じることが楽にできるホッチキスは、となったとき──実は「中とじできる」ホッチキスで「コピー用紙25枚をとじることができる」のは、現在たった1機種しかないのです。

 というか、今まで「25枚」は空白地帯でした。これを埋める、「2枚〜30枚」綴じをカバーできる最新の中とじ用ホッチキスがついに登場したのです。

 今回ご紹介するマックスの「バイモ11ロング」は、中とじ作業を楽に行いたい貴方に最適な製品です。

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 通常、ホッチキスは「ハンドル」と呼ばれる手で押す部分、「ドライバ」と呼ばれるホッチキス針を押し出す部分、「マガジン」と呼ばれる針の格納されている部分、「クリンチャ」と呼ばれる針を曲げるための台座部分、そのクリンチャを載せるための底にあたる「クリンチャアーム」という部分で構成されています。

 一般的なポッチキスの場合、紙を差し込む距離は、このハンドルやクリンチャアームを超えることができません。紙の先端は必ずハンドルとクリンチャアームを繋ぐヒンジに当たって止まります。

 この「紙が入る距離」が、A5冊子を作成する場合、A4用紙の長辺半分──148.5mm以上ないと、中とじができません。なので、中とじ専用ホッチキスはハンドルとクリンチャアームが分離して、紙を差し込む距離を稼いでいる専用機でないといけないのです。

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 皆様の中には、「パーツの一部が回転して針を打つタイプを見たことがあるぞ」という方もいらっしゃることでしょう。マックスでは「ホッチくる」の名称で、マガジンが90℃回転することで中とじを成し遂げるホッチキスがあります。

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 ただ、ホッチくるも万能ではありません。ホッチくるの針はハンディタイプに一般的な10号針で、15枚までしか貫通能力がありません。また用紙のセンターを先に位置決めしないといけない関係から、「紙を折って中央を指し示す」必要があり、そしてその折った線に沿って針を打ち込むのがけっこう難しいのです。

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 現在でも中とじ専用ホッチキスは長いクリンチャアームを持ち、アームの途中にスライダを装備することで用紙の差し込む深さを記録できるので、「打つべき中央を固定できない」問題は専用機を使用すれば事足ります。

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 ただ、10号針を使うタイプは15枚まで、もっと太くて丈夫な3号針を使うタイプでも20枚止まり。2万円を超える専用機はもっとたくさん用紙を綴じることができますが、今度は専用針のサイズの関係から30枚以上に……。

 今回ご紹介するバイモ11ロングが画期的なのは、まさに「2枚から30枚まで」、もっともよく作成されるであろう小冊子の枚数をほぼカバーできるという点です。

 マックスには、ハンディサイズで「バイモ11」というヒット商品があります。手のひらサイズでありながら、11号針という専用針を使うことで2枚から40枚までを軽く綴じることのできる製品です。

 バイモ11ロングも、同様に11号針を使用します。これは10号針の「細さ」と3号針の「足の長さ」を兼ね備えた針で、3号針にあった「足が長いからたくさん綴じることはできるんだけど、太いので貫通時にすごい力が必要だった」弱点を払拭した画期的な針です。

 よく文房具店に売られている10号針とはサイズが異なりますが、今やバイモ11は店頭でも定番品として並ぶホッチキスです。専用とは言え、普及率も高く、10号針といっしょに11号針が並んでいる様は決して珍しくありません。

 そういう入手が容易な11号針を使ったバイモ11ロングは、中とじ専用機としてベーシックな機能は全て内包しています。

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 クリンチャアームにはスライダが装備され、用紙サイズに合わせたスケールが刻まれています。用紙を入れる前に、スライダを移動させネジで固定することで、針を打つべき位置を恒に固定させておくことができます。

 そしてクリンチャ部分にも改良が施されています。従来のホッチキスといえば、打ち込まれた針の先端をめがね型にぐっと丸く曲げたものが主流でした。マックスはこれを「先端を平たく折る」フラットクリンチに改良し、書類を重ねて置く際に無駄に厚くならない仕様が職場や現場では重宝されました。

 ただ、フラットクリンチは中とじで使用した場合、先端が浮いて手を傷つける可能性がありました。冊子にしてしまうと、ホッチキスの針で穿たれている箇所に連続して力がかかります。数度見るだけの書類と異なり、何度も力をかけられた針先が浮いてしまう可能性が生じたのです。

 過去にフラットクリンチの中とじ専用機はありませんから、これはマックスの実証試験結果なのでしょう。バイモ11ロングはフラットクリンチを採用していません。その代わり、従来のめがね型クリンチとも異なる新方式を採用したのです。

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 それが「先曲げクリンチ」です。

 枚数が少ないときは、フラットクリンチのように膨らまず、針の先端だけが書類に向かって折り曲げられます。枚数が多いときはめがね型のように膨らみますがその山は高くなく、やはり針の先端は書類に向かうよう折り曲げられます。これなら余った針で手を傷つける可能性は格段に低くなります。

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 バイモ11ロングのドライバやマガジンには、バイモ11同様の「針を曲げることなく、まっすぐ打ち込む技術」が継承されています。それにより、軽く30枚を貫通できるだけの能力を持つことができたのです。

 本製品の価格は税込10,450円と、決して安価な物ではありません。ただ、中とじ冊子を頻繁に作成し、それを楽に効率よく失敗のないように作業したいと願っている方には最高の製品です。11号針の軽やかな打ち心地をぜひご堪能下さい。

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