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■小児科医・森戸やすみ先生の子育てQ&A
Q.今は小児科にかかるのは最低限にしたい。どういうときにかかるべきなの?
A.6カ月未満の赤ちゃんが発熱/哺乳力が半減したとき、本人がつらいときなどです。
まずは先日お伝えしたように、乳幼児健診とワクチン接種のときは、お子さんの健康を守るため、できる限り小児科へ行くようにしてください。それ以外のときには、できるだけ小児科に行きたくないという方もいるのはよくわかります。
もちろん、無駄な受診はしなくて大丈夫です。むしろ医療費削減のためにも、そうするべきでしょう。子どもはよく風邪をひくものですし、本人がつらそうでなければ、必ずしも受診しなくても構いません。ですから、どんなときには受診してほしいかを具体的に書いておきますね。
① 生後6カ月未満の赤ちゃんが発熱しているとき
子どもの「発熱」というのは、平熱より1℃以上高いとき、または37.5℃以上のときです。すごく暑かったり、厚着していたり、大泣きした後だったりすると体温が正確出ない場合があります。そういう場合は、再び計ってみましょう。月齢が小さいときは、何らかの重大な病気にかかっていても、あまり症状が出ない場合があり、知らない間に髄膜炎や肺炎などになることがあるので、慎重に観察したほうがいいでしょう。
② 生後6カ月未満の赤ちゃんの哺乳量が普段の半分以下のとき
まだ離乳食を食べる量が少ない6カ月までの赤ちゃんは、母乳またはミルクを飲む量、またはおしっこの量(回数)がいつもの半分以下になると心配です。何かの重大な病気にかかっていることがあります。また軽い風邪などだったとしても、脱水や低血糖に陥ると危険なので、やはり受診が必要です。脱水や低血糖がひどい場合は、点滴をすることがあります。
③ 普段からよく見ている保護者がおかしいと思ったとき
生後6カ月以上の場合は、明らかに本人がつらそうなとき、いつもと様子が違うときに受診しましょう。いつも見ている保護者の「何かおかしい」という勘は意外とあてになります。
④ 新型コロナウイルスに感染しているかもしれないとき
熱がある、味覚がない、激しい咳をしている、身近に陽性者が出たなど、新型コロナウイルスに感染しているかもしれないときは、小児科クリニックに電話で問い合わせてから、発熱外来の時間などに受診しましょう。以前の記事を参考にしてくださいね。
<今回のポイント>
○ 生後6カ月未満の子が発熱しているとき、哺乳量が半分以下のときは必ず受診を
○ 生後6カ月以上なら本人がつらそうなとき、保護者がおかしいと思うときに受診を
○ 新型コロナウイルスを疑うときも受診を

森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)