――戦後76年を迎え、体験をどう語り継いでいくかが課題となっています。
「戦争について学ぶ」となると、どうしても身構えてしまいがちですけど、自分に興味があるところからでいいと思うんです。ミリタリーでも、エンタメでも、生活のちょっとしたエピソードでもなんでもいいんです。そうやって学びを深めていけば、最終的には「二度と戦争を起こしてはならない」という結論にたどりつくはずですから。
そこで、特にやってもらいたいと思うのが、身近にいるお年寄りのお話を聞くことです。
もしもまだおじいちゃん・おばあちゃんがご存命なら、積極的に話を聞きに行ってほしいです。
気恥ずかしいかもしれないですけど、改めて話を聞くと自分のルーツを知ることができて面白いと思いますよ。実際この本の取材中にも、インタビューに同席した娘さんが「その話は初めて聞いた」と驚いていたり、親同士のなれそめを初めて知ったという人がいました。
――あら素敵。
あと、お話を聞いていると、おじいちゃん・おばあちゃんたちがどんどん元気になっていくのが印象的でした。
皆さん、話し出したらもう止まらない。インタビュー前には「私なんかの話、面白いのかしら」と不安がっていた人も、体調が心配になってしまうぐらい、話し出したら止まらなくなります。
自分の人生についてそんなにまとまって話す機会もなかっただろうし、それを若い人たちに話すことができるのは嬉しいことなんでしょうね。
「戦争の話」と切り出すことにためらいがあるようなら、「子どもの頃の話を教えて」でもいいと思いますよ。
戦時中の話もそうですけど、戦後すぐや高度経済成長期の話を聞くと、いまの日本とはまったく違う世界が広がっていて、これもまた面白いんです。
いまはコロナの影響で難しいかもしれませんけど、また前のような日常が戻ってきたら是非ともやってほしいですね。
(取材、構成:wezzy編集部)
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